今はなきマツダ流ミニバン!! 走りもユーザーを魅了したMPVの三代記

■プレマシー ビアンテ…充実のミニバン体制をマツダがやめた理由

 特に3代目はその素晴らしい走行性能によってコアなユーザーを魅了したマツダ MPVが、あっけなく生産終了となった理由。

 それは直接的には前段で申し上げたとおり、マツダがミニバンの生産と開発をやめると決めたからです。

 本当は2012年頃に販売終了となっていてもおかしくなかったMPVですが、販売店からの要望が強かったため、2016年まで販売されることになったようです。しかしいくら販売店サイドの要望があっても、会社の長期戦略として「ミニバンはもうやめる」と決まってしまったからにはどうしようもありません。

3代目 MPV(2006-2016)。MPVが販売終了となり、2017年に3列シートを持つCX-8が登場すると、ミニバンの役割はCX-8に任せるという大胆な方針転換をおこなわれ、プレマシーとビアンテも絶版に。マツダのラインナップからミニバンが消えることとなる
3代目 MPV(2006-2016)。MPVが販売終了となり、2017年に3列シートを持つCX-8が登場すると、ミニバンの役割はCX-8に任せるという大胆な方針転換をおこなわれ、プレマシーとビアンテも絶版に。マツダのラインナップからミニバンが消えることとなる

 そしてマツダという会社がなぜミニバンから撤退することを決意したかといえば、「自動車メーカーとしては小さな会社だから」ということにほかなりません。

 小さな会社であっても、例えばマツダ ロードスターが属するようなニッチ市場においては、大メーカー相手のビジネス的な勝負でも十分以上の勝機があります。むしろ小さなメーカーのほうが、そこでは勝ちやすいのかもしれません。

 しかしミニバンのような巨大コモディティ市場は「会社の体力=商品力または販売力」となりますので、そこに弊社がいつまでも関わっていても仕方ない――と、マツダの上層部は判断したのでしょう。小さな会社の限られた経営資源を「分散」させるのではなく、主にはSUVへと「集中」させたわけです。

 その結果として、Lサイズミニバンにも“走りの良さ”を求めたいユーザーから言わせれば稀代の名作であった3代目MPVは廃番となったわけで、そこに是非はありません。「仕方なかった」というほかないのです。

 しかしそういった理屈はさておき、「残念だ……」という“感情”を捨て去ることは、人間なかなかできません。

■マツダ MPV(3代目) 主要諸元
・全長×全幅×全高:4860mm×1850mm×1685mm
・ホイールベース:2950mm
・車重:1740kg
・エンジン:直列4気筒DOHC、2260cc
・最高出力:163ps/6600rpm
・最大トルク:20.7kgm/3500rpm
・燃費:11.0km/L(JC08モード)
・価格:277万7143円(2014年式 23S)

【画像ギャラリー】ミニバンながら高級感ある乗り味や雰囲気も魅力! マツダ MPVをギャラリーで見る(29枚)画像ギャラリー

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