なぜ日産がシーマのレストアを手がけたのか
今回、個人所有のクルマを製造・販売した日産がレストアを手がけるきっかけとなったのは、伊藤かずえさんがインスタグラムに写真を投稿したこと(編注:Twitterにも投稿されている)。
30年以上初代シーマを愛車として大切にしていることから、日産社内でも何かできないかという声が上がった。そして、日産の国内マーケティング部門とグローバルマーケティング部門内のヘリテージ担当が共同でレストア作業を行うオーテックジャパンへ打診。その結果、オーテックジャパンが伊藤かずえさんのレストア作業を行ない完成したのだ。
初代シーマのレストアでは、部品の再入手=オートリブによるシートベルトとセーレンによるシート表皮材が納期も含めて長く時間が掛かったとのこと。そして、これからも長く乗られるように電装のハーネス類も新調し、ウィンドシールドも交換している。
また、オーテックジャパンの匠の技と心意気で、丹念な磨きや再生を行い、何でも新調すれば良いものではなく、「ついている部品は可能な限り尊重」しているという。
現在、日本のクルマに対する税制は、伊藤さんの初代シーマのように1台のクルマを長く乗ると、懲罰のように自動車税が高くなる。まるで、思い出の詰まったクルマに乗り続けることが罪のようにさえ感じる。
しかし、伊藤かずえさんのように1台のクルマを長く乗ることが尊いことであり、エコであると多くの人が考えるきっかけとなれば、旧いクルマを愛車として長く所有することができる。今回のレストアはこうしたクルマの税制に対して考えるきっかけとなってもらいたい。
【画像ギャラリー】新車のように復元された伊藤かずえさんの「シーマ」と歴代モデルを写真で振り返る(35枚)画像ギャラリー



































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