WRC(世界ラリー選手権)は、基本的に各国の公道で開催される競技だ。そのため世界をめぐりながら取材を行っていると、その国々で特有の標識を目撃することになる。
例えば単純に動物注意の標識でも、その国ならではの特徴があるのだ。そこでWRC取材を行ってきた佐久間 健氏に、珍しい標識を紹介してもらおう。
文・写真/佐久間 健
■車も無事じゃ済まない!! この動物の体重はどのくらい?
さて、今回は少し違ったところからWRCを振り返ってみた。WRCに限らず海外で取材をしているといろんなシーンに出くわすが、今回は道路標識やちょっと変わった看板など目についたものを紹介してみよう。
最初は、フィンランドで見かけた「鹿注意」の標識だ。どうでもいいといえばそうなんだが、当然フィンランド、シカ科の動物といえばトナカイ(シカ科トナカイ属)だと思っていた。
フィンランドだけに、サンタクロースがトナカイのソリに乗ってやってくるシーンを思いうかべるが、この標識の鹿、よく見るとトナカイではなくヘラジカ(シカ科ヘラジカ属)という事が分かった。
トナカイの角は、奈良の鹿(ニホンジカ/シカ科シカ属)のように細いが、標識のものは、平に見える。また顎の下にある皮膚の垂れ下がりはトナカイにはないというわけで、この標識はヘラジカだと思われる。
これはあくまでも個人的な感想である。実際にはトナカイは体重300kg位が最大だが、ヘラジカは大きいものは1トン位になるものもいるようだ。高速で走る車にとって、ヘラジカのほうが、より危険度が高いといえるだろう。
■ほかにもある!! 世界の珍標識アレコレ
つぎに「カエル」の標識。これはRACラリー、つまりイギリスで見かけたものだ。RACが開催される季節(WRC最終戦となることが多い)はあまり関係ないが、このような大量のカエルが雨上がりなどに道路にあふれると、スリップ事故につながるのでカエル注意なのだ。
そして、「戦車注意」はドイツラリーの時に見かけた。ドイツラリーは軍の施設のなかでSSを行うので、周辺道路では戦車に遭遇することがあるということだろう。だが私は戦車に遭遇することはなかった。
一見ただの「一時停止」の標識は、よく見るとその下にSAINZのいたずら書きが。これはモンテカルロラリーの時に見かけたものだが、このころサインツが結構強かったときで、どこにでもアンチのファンがいるという事だろう。
最後に、番外編としてアジアパシフィック選手権がタイで行われたときに、泊まったホテルの入り口に張られた張り紙だが、これってなんだかわかりますか?
これは「ドリアン持ち込み禁止」の張り紙で、ドリアンとはアジアの国でよく見かける果物。ラグビーボールほどの大きさで、表面がトゲトゲになっているが、最大の特徴は匂いが強烈ということ。
そのためホテルをはじめとして持ち込み禁止の所が結構あるのだ。またアジア系の航空会社にもドリアンの機内持ち込みを禁止しているところがある。
味に関しては、病みつきになるほど旨いという人とこの匂いの為絶対無理という人がいる。試しに食べてみたいという人がいれば、東京では新大久保の韓流マーケットで、1個4000円程で買えるので、試してみるのもいいんでは?
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