渋滞の名所に救世主!! 東名高速についに設置された「付加車線」どう使えばいい?

いつ走行してもいいが、追い越しに使うことはできない

 NEXCO中日本によると、昨年運用を開始した付加車線は、横浜町田IC〜海老名JCT間の渋滞対策として進めている付加車線設置事業(上り線約4km、下り線約5km)の一部で、大和トンネルを含む上り線約2.7km、下り線約1.8kmとなる。IC間が全線4車線になるのではなく、一部区間のみ車線が増えているので「付加車線」という表現だ。

 下り線の大和トンネル付近では、付加車線に、トラックのマークが描かれた看板が設置されている。これは遅い車両を優先して付加車線に流すことを意図しているということだろう。

 登坂車線のように、重い荷物を積載しているトラックなどゆっくり走る車両がこの車線を通れば、速度にゆとりのある他の車両はスムーズに走行車線を通行することができる。そういった使い方をしてほしい、というのがNEXCO中日本の意図のようだ。

東名高速大和トンネル付近の付加車線。「渋滞の名所」の汚名返上となるか
東名高速大和トンネル付近の付加車線。「渋滞の名所」の汚名返上となるか

 しかし、この付加車線は、交通容量を増加させるという目的で設置されているので、一般車が走行することももちろん可能。むしろ渋滞を未然に防ぐために、どんどん活用すべき車線といえるが、追い越しに使うことはできない。

 道路交通法第28条には「車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両の右側を通行しなければならない。」と書かれている。この付加車線を使いながら車線変更を繰り返して、するすると追い越していくクルマをたまに見かけるが、追い越しをする時は常に右側の車線からでなければならない。 

 ただ、付加車線は一部区間のみなので、付加車線が終わったら車線変更をして走行車線に移動する必要がある。そのため、車線変更が苦手もしくは極力したくない人には向いていない。実際上り線は現状、大和トンネルを抜けるとすぐに走行車線へ合流する必要がある。

 しかし、そうはいってもせっかくつくられたものを使わなければ意味がないので、追い越しではなく、制限速度の範囲で気持ちよく走りたい、という際には、ぜひ付加車線を活用してみてほしい。

右側に付加車線がある事例も

 東名高速道路の付加車線は左側にあることで、なかなか使いづらくなっているが、全国には、右側に付加車線が設けられている例もある。中央自動車道下り多治見IC〜小牧IC間の上り坂区間では、従来左側に登坂車線が設けられていたが、これが2016年3月28日から「右側付加車線方式」に切り替えられた。

 それまで登坂車線だった車線は通常の走行車線に変更され、右側に「追越車線」として付加車線が設けられたのだ。速度に自由度のある車両が追い越し、速度の遅い車両の合流をなくすことで、安全性の向上が図られるという仕組みだ。

 これはなかなか合理的な方式で、渋滞解消に使う場合でも、この方式の方が効果は大きいのではないかと筆者は考える。

2016年3月28日から運用されている、中央自動車道の「右側付加車線方式」。速度の遅い車両はそのまま走行車線を走り、合流で気を使う必要もない(画像はNEXCO中日本プレスリリース)
2016年3月28日から運用されている、中央自動車道の「右側付加車線方式」。速度の遅い車両はそのまま走行車線を走り、合流で気を使う必要もない(画像はNEXCO中日本プレスリリース)

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 東名高速の例のように、渋滞解消を目的とした付加車線の取り組みはまだ模索中といったところで、効果の程については今後も検証が必要だろう。簡単には拡幅できない場所もあるため、付加車線以外の対策も考える必要がある。渋滞の少ないドライブを十分楽しめるようになるには、もう少し時間がかかりそうだ。

【画像ギャラリー】日本一の渋滞は緩和できるのか!? 大和トンネル付近の付加車線のようすと、渋滞を防ぐ運転方法(12枚)画像ギャラリー

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