2022年1月13日、8年続いた3代目からバトンを受けるかたちで、4代目となる新型ノア・ヴォクシーが誕生した。先代からのコンセプトを守りながらも、ボディ全幅が5ナンバー枠を飛び出すなど、大きな変革が行われた期待のクルマだ。
新型ノア・ヴォクシーの変化を販売店やユーザーはどうみているのか。先代のノア・ヴォクシーを販売してきた筆者から見る、新型ノア・ヴォクシー像を、独自の目線で解説していこう。
文/佐々木 亘、写真/TOYOTA
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ライトエースノア・タウンエースノアの跡を継いで、ノア・ヴォクシーは誕生した。FFプラットフォームで室内は広く、ボディサイズは5ナンバー幅に収まる。両側スライドドアを装備し、ボディ全高は1900mmに迫る数値で、室内高も充分に確保された。
まさに「箱」に乗って移動するノアとヴォクシー。そのなかでノアには「優しさ」を、ヴォクシーには「凛々しさ」を与え、カローラ・ネッツの各チャネルで販売をスタートさせる。
当時はまだまだ、クルマへ興味関心が強い時代であり、今のように「乗れればいい」「動けばいい」と、単純な移動手段として考えるユーザーは少なかったように思う。趣味の一部であり、所有する喜びを感じるのがクルマだった。いっぽうで家族のため、クルマ選びには我慢を強いられるという場面も多かっただろう。
ミニバンであれば家族を納得させられる、お父さんはドレスアップ要素が高いクルマを選びたいという、家族とお父さんの願いを両方叶える存在がヴォクシーだった。若年層から中高年まで幅広く支持されたヴォクシーが、兄弟車ノアを一歩先行するかたちで、人気を手中に収めていく。
また、人気俳優を使ったCMで、「父になろう」「男旅しよう」と、硬派なイメージを作り上げたヴォクシーは、販売ターゲットが絞りやすく、営業マンにとって売りたくなるクルマだったと感じる。対するノアは、優しい名前そのままに、癖のないキャラクターで安定した販売台数を稼いだ。
売りに行きたくなるヴォクシーと、買ってもらえるノア。どちらもいいクルマだったと思うが、営業マン魂をくすぐるのは、ヴォクシーのほうだったのではないだろうか。
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