■内燃機関を讃える
というわけなので、今年2022年は電動化までの猶予期間、受注ずみモデルをじっくり作っていればよさそうなものだが、のんびり構えるつもりなどさらさらないようだ。
ランボルギーニは2022年を昨年と同様に、「ピュア内燃機関を讃え、盛大に送る」年にしたいらしい。
昨年、ランボルギーニは3台のニューモデル (ウラカンSTO、アヴェンタドールウルティメ、カウンタックLPI800-4) を発表し、8405台という史上空前の販売台数を記録した。
確かに2022年も同程度の台数を生産できる見込み (オーダーベース) がすでに立っている。けれども今年、さらに4台のニューモデルを発表するというから驚かされる (来年への仕込みだ)。アルデバランを目指す前から勢いをいっそう増しておきたいというわけか。
と、ここまで読んだ目敏い読者諸兄にはすでにお気づきのことだろう。そう、今年登場する4モデルは、まだPHEVではない。
モデルによっては来年以降でもピュアなエンジン車を買うことができるかもしれない。けれども派生や追加とはいえニューモデルという意味では、電気モーターを積んでいない最後のランボルギーニたちが今年発表されることになる。
■2022年に現れる4種のモデルとは
では2022年にいったいどんなモデルが4種類も登場するというのだろうか。
まず昨年来、ステファン・ヴィンケルマンCEOは2022年に登場するニューモデルはウラカンとウルスのバリエーションになる、と言っていた。
ウラカンはSTOを出したばかりだから、前述したように後継モデルの登場は2024年。最低でも2023年いっぱいはウラカンを生産しなければならない。
確かに何らかのニュース=カンフル剤が欲しいところで、おそらく今年中に2台のスペシャルバージョンを出すことになるのではないか。もちろんV10自然吸気エンジンで、だ。
STOスパイダーだけは見たくない (馬鹿げている)。
けれどもさらに馬鹿げたモデル、車高を上げた「ラリースペシャル」のステラート (コンセプトカー) の市販バージョンなら大いにウェルカムだ。テスト車両のスクープ写真も出回った。大いに期待できそうだ。
そしてもう一台のウラカンは「大人しいSTO」ではないか。アヴェンタドールのSVJに対するウルティメのような位置づけ。
派手なSVJもいいけれど大人しいSVJに乗りたいという要望は意外に多かったらしく、出したウルティメが望外にウケたものだから、大いにあり得る。高級車マーケットが「大人しいデザイン」方向へと向かっているのもまた事実なのだから。
■PHEV適性が高い「ウルス」の動向
ウルスはどうか。グループではポルシェカイエンやベントレーベンテイガですでに実績もあるため、最もプラグインハイブリッド化の容易なモデルであることは明白。
PHEVを先陣切って出してもおかしくないと思っていたが、ブランドイメージとしてウルスから始まるランボの新時代史ではアピール力が物足りない、という判断もあったのだろう。
それに慌てなくてもウルスはいまだにバカスカ売れている(4年でなんと1万6000台だ)。先日もディーラーで新車発表時と変わらぬコンフィグレーションのスタンダード仕様ウルスの登録前新車を見たほどだ。
まずは今年中にウルスそのものをマイナーチェンジし、改めて2023年にPHEVグレードの追加となるだろう。それもベンテイガのようなV6ではなく、カイエンと同様にV8のPHEVになることが決まった。
時間をおくことで、フェラーリ新SUVのスペックなども「気にする」時間が生まれるというものだ。
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