万が一のガス欠に備えるには?
想像するだけでも怖い状況ですが、往来のど真ん中で大きなトラックがガス欠し立ち往生したらどうしますか?
一般道と高速道路ではその対応は異なりますが、一般道では完全停止する前に可能な限り路肩に寄せて停め、ロードサービスなどに救助を求めたり、仲間に牽引してもらって整備工場に移動する……というのが模範解答ではあります。
とはいえ孤独なドライバーはまずは自力でなんとかしようとする(しなければならない)ケースが多いハズです。
ただ、エンジンがかからないからといってセルスターターを回し続けるのはNG。潤滑剤としての役割も担っている軽油燃料がない状態で空回しをすると、燃料系(燃料ポンプのシールやインジェクター)などにダメージを与えます。
空回しでダメージを受けるのはガソリン車でも同じですが、特に燃料を高圧化し噴射しているコモンレール式ディーゼルエンジンの場合はダメージが深刻になると言われています。
いっぽうMT車では追突事故を誘発しかねない場合の緊急措置として、セカンドなどにギアを入れセルを回し移動する方法があります。
ギアを入れセルを回すと車体がチョットだけ進むので、これを利用して道路の端にクルマを寄せることはできます(リスクを念頭に自己責任でお願いします!)。
エア抜きは、メーカー・車種によって違いがあるので、イザというときに備えクルマの取扱説明書などに記載されている手順を読んでおくことも大切(エア抜き方法の記載がない車種もあります)。
一般的な手順は、キャブをチルトしてからエンジン周辺の燃料供給ポンプや燃料フィルターにある、プライミングポンプ(手動ポンプ)やエア抜きプラグを探さなければなりません。
まずエア抜きプラグを緩め、格納されているプライミングポンプのヘッドを左に回して跳ね上げます(格納されいないものもある)。
次にプライミングポンプを押してプラグから空気を抜きます。プライミングポンプを突いていくと、プラグから出てくるのが空気の混じった燃料から燃料だけになります。
この状態になったら、プラグを締め、再度プライミングポンプを突いて燃料をエンジンまで送ります。燃料ラインに圧力がかかってプライミングポンプが重くなったら同ポンプをしまって完了です。
作業自体は慣れてしまえばそこまでむずかしいモノではありませんが、トラックの陸送(自走)屋さんのように燃料が限られ、日夜ガス欠と戦っているドライバーばかりではないハズです。
万が一に備え、自車のエア抜きの手順はどうやるのか? 燃料ポンプなどはどこにあるのか? エア抜きに必要な車載工具は揃っているか? など、平時に確認しておくことも大切だと思います。
また、古いトラックでは燃料計が故障していてガス欠にいたるケースもあるようです。特にトラックを頻繁に乗り換える業種では、目視でタンクの燃料残量を確認することも必要かもしれません。
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