■動力性能&加速フィーリング比較
動力性能は互角だ。アウトランダーでは、エンジンは基本的には発電を行い、駆動は前後に搭載されたモーターが担当する。モーターは先代型に比べるとパワーアップされ、巡航中にアクセルペダルを踏み増すと、速度を一気に高める。
この機敏な加速感は、電気自動車と同様だ。静かで滑らかに、しかも速度を急速に上昇させる。この時の加速感は4Lのガソリンエンジン並みだ。
RAV4 PHVは、前輪はエンジンとモーターで駆動して、後輪はモーターだけが駆動するE-Fourと呼ばれる方式を採用する。エンジンとモーターの駆動力を合計したシステムは306馬力だ。RAV4ハイブリッドのE-Fourは222馬力だから、プラグインハイブリッドは動力性能を大幅に高めた。
つまりアウトランダーは、電気自動車に近い機敏な加速感が特徴で、RAV4 PHVはガソリンエンジンを併用する自然な運転感覚を備える。動力性能と加速フィーリングは互角といえるだろう。
★勝敗:引き分け
■乗り心地を比較
アウトランダーは、ベーシックなMを除くと20インチタイヤ(255/45R20)を装着する。時速50km以下では硬めに感じるが、角は丸い印象で不快感は生じない。
RAV4 PHVが、最上級のブラックトーンが19インチタイヤ(235/55R19)を装着する。この仕様も乗り心地が硬めだ。
両車を比較すると、アウトランダーの足まわりは伸縮性が少し優れ、タイヤが路上を細かく跳ねる挙動を抑えた。そのために重厚感が伴う。
★勝敗:アウトランダーの勝ち
■走行安定性&操舵フィーリング比較
アウトランダーは、車両重量が2トンを超えるSUVでは、操舵感が機敏で良く曲がる。一般的に高重心でボディの重いSUVは、後輪の接地性を高めて走行安定性を向上させるため、操舵に対する反応を穏やかにすることが多い。速度を高めて曲がろうとすると、次第に旋回軌跡を拡大させ、曲がりにくくなっていく。
ところがアウトランダーは曲がることを諦めない。操舵角に応じて確実に曲がっていく。そして前述の通り乗り心地も快適だから、速度を高めて曲がると、ボディの傾き方も大きくなる。
この時に危険を避けるためにアクセルペダルを戻すと、アウトランダーでは後輪の横滑りを拡大させやすいが、挙動の変化が穏やかだから、運転の難しい状態には陥りにくい。安定性とのバランスを損なわないギリギリまで、スポーティ感覚を追求した。
一方、RAV4 PHVは、一般的なSUVの設定だ。アウトランダーほど攻めた走りは行えないが、幅広いユーザーにとって使いやすい。
★勝敗:アウトランダーの勝ち
■燃費性能比較
アウトランダーで売れ筋のGやPでは、WLTCモード燃費が16.2km/Lになる。RAV4 PHVは、すべてのグレードが22.2km/Lだ。RAV4 PHVの燃費数値は、アウトランダーの1.4倍に達する。
またアウトランダーのリチウムイオン電池容量は20kWhで、RAV4 PHVの18.1kWhよりも大きいが、1回の充電で走行できる距離(WLTCモード)は、アウトアランダーが85km、RAV4 PHVは95kmに達する。RAV4 PHVは効率が優れている。
★勝敗:RAV4 PHVの勝ち
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