■完璧なペース配分チャートで挑むVART!
昨年、苦汁をなめたVARTは今年、戦略を練って挑んだ。富士スピードウェイを9カ所にポイント分けして通過タイムを緻密に計算。180分レースと60分レースのペース配分のチャート表を製作した。助手席のナビゲーターが指示を出し、ドライバーがそれを遂行すれば完璧だ!
前日、降った雪の影響もあり抽選で予選の順位を決めた。VART86は43番手、22列目というかなり後方からのスタート。180分レースの出走台数は50台なので、ここから上位を狙うのは中々難しい。
スタートドライバーは三間。VARTではチーム全体を統括する監督で最も速いのがこの男。パッセンジャーシートにはエコカーカップ初参加の石川界人が乗る。これは富士スピードウェイに馴れていない石川がコースを把握するには好都合。
午前11時、オンタイムで180分レースがスタート。三間&石川コンビは混乱の中、上手くすり抜け少しずつ順位を上げ30分後にピットイン。
今度は助手席に乗っていた石川がドライバーになりパッセンジャーには畠中祐が収まる。ここから30分は20代の若手コンビが上位を狙う。ピットではBLITZのスタッフがモニターを見ながら走りを見守り無線で指示を送る。
1時間を経過した頃、石川がドライブする86がピットイン。畠中がドライバーズシートに移り、三木がパッセンジャーを担当する。自動車免許を取得して2年弱の畠中のドライブで快調に走るVART86。MT車の86だが、時間を作ってたくさん練習した畠中は今では頼もしい存在だ。
レースも丁度、半分を過ぎたところ畠中から三木にドライバーチェンジ。助手席には三間が乗る。アニメ「頭文字D」で長年、切磋琢磨してきた仲だけにあって息はピッタリ。
抜きつ抜かれつでレースは大きなトラブルもなく最終スティントに突入。石川界人がドライバーで助手席には畠中祐が乗る。そして180分に及ぶレースが終了。39位でチェッカーを受けた。この後、超過通過ペナルティや消費燃費など、総合的なポイントで正式結果が出る。
■ダブルエントリーはスピード感のリセットがカギ
180分レースが終了してホッと一息つく間もなく60分レースがスタートする。VART86のスタートポジションは何と3番手! 優勝も狙える位置だ。ドライバーは三木眞一郎が担当。パッセンジャーは畠中祐が乗る。
60分レースの制限タイムは4分45秒と180分レースよりも1分30秒も遅くなっている。そのため3分15秒で走るスピードで慣れている感覚をいかに素早くリセットするかが課題。
三木はスタートを無難に熟しレースが始まった。60分くらいならピットインしなくても走れるじゃん! と思うよね?
しかし、エコカーカップのレギュレーションで180分レースは5回、60分レースは2回のピットインが義務付けられているのでそれはできない。20分ごとにピットインしてドライバーとパッセンジャーの交代を行う。
予定通りにピットインを熟し60分レースは17位でゴール! 順位が落ちてしまった理由はピットインのドライバー交代。
ノーマルシートなら素早く乗り換え3点式シートベルトを締めてスタートできるけど、VART86はロールケージやバケットシート、4点式シートベルトが備わっているためドライバー交代に時間がかかり、大きく順位を落とす結果になった。とはいえ大きなトラブルもなくレースが終了し最終結果を待つことになる。
さて正式結果は、60分レースは36位。180分レースは50位と沈んでしまった。その原因は超過通過ペナルティ。ほかのチームは多くて1~2回なのに我らがVART86は飛びぬけて多い。エコカーと比較すると消費燃費が悪いのは仕方ないが、ペナルティはいただけない。
これはドライビングコーチのオレ(プリウス武井)の責任が大きい。自責の念でいっぱいである。机上では完ぺきな作戦だと思っていたが、富士スピードウェイを走り慣れていないと一定のスピードで走らせるのは難しいという課題が残った。
今後、VARTメンバーの多忙なスケジュールを調整してもらって富士スピードウェイに練習走行に通う必要性を痛感した。
ここまでVART86のレポートをお届けしてきたが、気になるのはBlack VARTスープラの存在。いったい誰が乗っていたのか!?
ここで明らかになっているのは、Black VARTメンバーの関智一、神谷浩史、小野大輔が参加していないという事実。その答えは今年11月上旬に明らかになるかも……。VARTの今後の活動を含め乞うご期待!
協力/VART(https://vartproject.com/)、BLITZ(https://www.blitz.co.jp/)
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