■国道19号線を80km走って苗木城跡へ
当時とほとんど変わらない景観の宿場街を現代のクルマで走行する、という夢が実現したのです。すっかり嬉しくなった私は以前行ってみて、その景色にすっかり魅了されたにもかかわらず隣接の資料館が休館だった、苗木城跡に行ってみることにしました。
岐阜県恵那市にある苗木城跡までは旧中山道と並行する国道19 号線を通り、80kmほど距離があります。
一般道での80kmというのはかなりの距離感ですが私にとっては、嬉しいかぎり。
時間も充分にありますので、高速道路を使わずに中山道の名残を辿るドライブを楽しむことにしました。
ちなみに、この選択がジムニーの燃費を向上させることになるのを、後で実感することになります。
■MTのジムニーでワインディングを堪能
国道19号線はまさに風光明媚で、少なくとも当日は渋滞も皆無でした。しかも、奈良井宿を出た直後から粉雪が舞い始め、その景観と相まって、終始非日常感を味わうドライブになっています。さらにこれまで私が訪れて感銘を受けた馬籠宿や妻籠宿も通過しながら2時間半の夢のようなドライブの後、苗木城跡に到着しました。
途中、国道を離れた後には、これまた牧歌的な景色のなかを通るワインディングロードがあり、ここでMTを駆使して走った際には、痺れるほどの快感を味わえたことを付け加えておきます。
もちろん、ライトウェイトスポーツカーのような軽快な走りとは違う趣のドライブなのですが、粉雪と落ち葉が舞う滑りやすい路面をがっちりと掴むタイヤで、ロングストロークのシフトレバーをそれぞれのゲートにしっかりと入れて走る、というサーキット的なスポーツ走行とは別のシフトチェンジの醍醐味を楽しむことができました。
■MT操作の快感を知らないなんて「人生の大半を損している」
これがATだったら、非力なエンジンと組み合わされているだけに、頻繁にキックダウンを繰り返して耳障りだわ、音のわりに前には進まないわ、で運転を楽しむことはできなかったと思います。非力ながらも自分が選ぶシフトポジションのゲートにシフトレバーを入れて、自分が想定できる音と加速感を味わう。これぞMTの醍醐味ではないでしょうか?
私はお酒が飲めないので、たまに「お酒が飲めないなんて人生の半分は損している」などと言われることがありますが、私に言わせれば、MT操作の快感を知らないなんて「人生の半分、どころか大半を損している」と申し上げたいです(笑)。
先ほど申し上げた、奈良井宿での取り回しも含めて、シエラではない「軽」の「MT」のジムニーにしてよかったと、改めて実感しました。
そして奇跡的に苗木城跡に着く頃には雨もあがり、小山の頂上にある天守跡からは絶景を拝むことができて大満足のジムニー小旅行となったのです。
■今回の旅は私のジムニー史上最高の燃費を記録
しかし、帰路に着いてしばらく経って、凄いことに気付きます。私は、前回苗木城跡を訪れた時に休館だった資料館に行くために再訪したことに気づいてしまいました。
雨があがったばかりの景色に大満足してしまい、駐車場を出た時間にはまだ開館中であったにもかかわらず、迷わず帰路についてしまったのです。まさに痛恨……なんということでしょう……。
次の日の仕事は早い時間からだし、しかたがないか……と無理矢理自分に言い聞かせました。
帰りは高速道路を使い、順調に走って自宅のある千葉に到着。給油警告灯が点いたので、帰宅直前に自宅近くのガソリンスタンドで給油しました。その際に燃費チェックをしたところ、なんと15.7km/L という私のジムニー史上最高の燃費数値が出たのです(注:満タン法での計測では15.2km/L)。やはり高速道路だけでなく、80kmほどの距離を空いている国道で走れたのがよかったのでしょう。
高速道路中心での長距離走行時の燃費は12.0km/L 前後ですので、やはり軽自動車は高速道路よりも一般道の速度域で実力を発揮できるようです。
最後に痛恨の事実を、もうひとつ。今回、動画は撮ったのですが、楽しすぎて静止画をほとんど撮っておらず、本記事に載せるこの時のジムニーの写真がオンボード平均燃費数値の写真しかなかったことをお詫びします。
【画像ギャラリー】ジムニーで奈良井宿から苗木城跡へのご機嫌ドライブとこだわりの安東号を写真でチェック!!(15枚)画像ギャラリー
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