ディーラーマンの「JAF+保険+クレジットローン」コンボに得はあるのか


 クルマの商談の入り口や、契約手続きを行っている際、営業マンから「自動車保険はどこで加入していますか」「JAFには既にご加入済みですか」などと聞かれることがある。営業トークの一つであるが、このお誘いに乗った場合、ユーザーにはどのようなメリットがあるのだろうか。

 JAF・自動車保険・ローンの合わせ技攻撃を、営業マンとして実際に行っていた筆者が、メリット・デメリットや、値引きとの関係までを詳しく紹介していこう。

文:佐々木 亘
画像:Adobe stock(トップ:433216232@Adobe stock)

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■ノルマもあるが、営業マンの安心のため加入を勧める一面も

 クルマの契約よりも、ローンや保険、そしてJAFへの加入は、何倍も契約がとりにくい。それでも金融商品に対して、年間に何件の契約をできるようにと、目標値が与えられ、車両販売と同様に、自身の査定に大きく響く。

 これらの商品は、ディーラーやユーザーにとって「価値の連鎖」をもたらすことから、バリューチェーン分野と呼ばれることもある。

 ディーラーは手数料などの利益収入が得られるし、営業マンとしては万が一の事故や故障の際に、ユーザーが自社の自動車保険やJAFに加入してもらっている方が、対応しやすい。

 特に事故の際には、ユーザーが自身で選んだ自動車保険会社が、具体的な対応をしてくれない(事故現場へ駆けつけない、代車などの対応が遅い)とわかると、怒りの矛先が普段利用しているカーディーラーに向くことが多い。

 「担当客が事故に遭ったのだから、営業マンは当然現場に来るよな?」「代車はもちろんディーラーが提供するよな」と迫られ、場合によってはクレームとなり、大事に発展するのだ。(これらの要求はお門違いであり、本来ディーラーに向けられるものではない。)

 営業マンは、自分が代理店となっている保険なら、いくらでも駆けつけるし、必ず保険に代車をセットするから、代車の心配もいらない。こちらの提案を蹴って、他社で保険に加入し、JAFにも入らなかった人の面倒までは正直見切れないのが本音だ。ユーザーが自己責任で起こした事故で、営業マンが理不尽な思いをしないように、自身の防衛のためバリューチェーン商品に加入してもらいたいという側面もある。

■ユーザーが受けるメリット・デメリットは

 JAFに加入する場合は、入会金2,000円と年会費4,000円がかかる。ローンを組めば利息がかかるし、自動車保険の保険料もダイレクト系(ネット保険)と比べれば、決して安いものではない。こうした会費・利息・保険料差は、ユーザーが受けるデメリットになり得るだろう。

 対して、故障や事故などでJAFのサービスを年間1回でも使うことがあれば、年会費4,000円の元は取れる。また、ローンと自動車保険を一体化させたクレジット一体型保険という、ディーラーでしか加入できない自動車保険も、事故で保険を利用した際のメリットは大きい。

故障や事故などでJAFのサービスを年間1回でも使うことがあれば、年会費4,000円の元は取れる。また、ローンと自動車保険を一体化させたクレジット一体型保険という、ディーラーでしか加入できない自動車保険も、事故で保険を利用した際のメリットは大きい(401762379@Adobe stock)

 ローンの利用期間と同じ期間で、自動車保険の契約が可能となるクレジット一体型保険は、保険料が単年契約よりも若干安く、さらに契約期間中の保険料変動がない。社会情勢による保険料改定や、事故の際の保険利用で翌年の保険料が上昇するというリスクを、契約期間中は抑えることができる。(契約期間中の中途解約については、割引された保険料差額の精算が必要。)

 手出しのお金と事故リスクをどう推し量るかが、ユーザーのメリットとデメリットを考える上で大切な部分であろう。

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