3月31日からEVの購入補助金上限額が最大85万円に! EVとHV 純ガソリン車の年間維持費を比べてみた!

■3年後の下取り価格は現在より低下していると予測

■3年後の下取り予想価格
・リーフe+X:220万円
・ヤリスクロスG:150万円
・ヤリスクロスHV G:195万円
・ノートe-POWER S:150万円
・キックスX:160万円
・マツダ2 XDプロアクティブ(ディーゼル):120万円

 3年後に売却してクルマを買い替えることを考え、下取り価格を予測。これは現在3年落ちの中古車が販売されている車種は、現在の中古車価格から下取り価格を判断し、2年以内に発売されたクルマも現在の中古車から3年落ちの下取り価格を推測した。

 現在は新車不足の影響から中古車価格も高騰している。3年後の下取り価格を、現在のレベルが維持されていると期待するのはちょっと楽観的過ぎる。3年後には従来の相場感に戻っている可能性もあることから、人気車種でほとんど値落ちが見られないクルマについても、相応の値落ちがあるものと予測している。

 それでもEVに関しては、現在もリセール性はエンジン車ほど高くはないので、3年後は現在の中古車価格とも大きな変動がないと思われる。リーフでもバッテリー容量の大きいe+を選択したのは、車両価格が高くてもその分高いリセールが予想できるからだ。

 5年10年と乗り続けるとしても、リセールバリューは気になるし、どの時点で買い替えるとしてもリセール性の高さは比例するから参考になるハズだ。

■総費用から考える、目的別のチョイス

■3年間のトータルコスト
・リーフe+X:211万1124円
・ヤリスクロスG: 102万7730円
・ヤリスクロスHV G: 79万9930円
・ノートe-POWER S:103万2744円
・キックスX:155万204円
・マツダ2 XDプロアクティブ(ディーゼル): 117万3880円

 基本的には乗りたいクルマ、欲しいクルマを選んで運転することが満足感につながる。SUVが人気なのも目新しさや力強いフォルムといった印象がもたらす、新しいクルマを手に入れた満足感の高さが人気の理由だ。

 それでも稼げる賃金に限りがある以上は、損をしたくない、次に買い替えるクルマの下取りを有利にしたい、という気持ちになるのも当然のことだろう。

 購入費用と3年間の燃料(EVは電気)代、税金やメンテナンス費用の合計額から、3年後の下取り価格を差し引いたものが3年間のトータルコストだ。

 結果はハイブリッド、それもヤリスクロスハイブリッドの圧勝だった。それは燃費の良さと下取り価格の高さが、トータルでのコストを大きく引き下げたからだ。

 このなかでは155万円とキックスのコストが高めに感じるが、これは現在の中古車価格から算出した下取り価格が低めだったことが影響している。

 同じパワーユニットのノートが103.2万円であることを考えると、ちょっと逆にヤリスクロスは人気が高いため、ガソリン車でも102.7万円とキックスよりコストが大きく下がっている。

ヤリスハイブリッドの79.9万円というのは驚異的な安さだが、これも高い下取り価格が影響しているので、実際の3年後はやや人気が落ち着いていることも想像できる。また5年落ち、7年落ちになると差は縮まることになる。それでも確実に出費を抑えることができるのはトヨタのハイブリッド車の強みだろう。

 リーフは168.1万円とかなり高くなっているが、これは冒頭で触れた通り、自治体の補助金を含んでいないことも影響している。補助金次第では100万円前後になって他車と同程度のコストも期待できるが、補助金だけに予算が尽きてしまえば支給されないので、購入のタイミングにも気を付けたい。

 また急速充電のコストが年間3万円ほどもかかると、普通充電の安さが帳消しになってしまうことが判明した。政府は本気でEVを普及させようというのであれば、補助金などの優遇措置の見直しと充電設備の拡充を急ぐべきではないだろうか。

 クリーンディーゼル搭載のマツダ2はこの試算では117.3万円だが、1年間の走行距離が多いほど相対的にコストは下がり、燃料価格の安さと燃費の良さが光ってくる。

 例えば地方のユーザーでこの試算の3倍、1年で1.8万km程度走行するのであれば、燃料コストのアドバンテージが広がり、ノートやヤリスクロスのガソリン車とほぼ同等のトータルコストとなり、それでいてディーゼルのトルクに満ちた力強く反応の良い走りを味わえることだろう。

 また渋滞やゴーストップが多い都市部での使い方が多ければ、ハイブリッド車やEVにアドバンテージが出てくる。ただしEVは自宅に充電設備があるかないかで、使用環境の利便性やコストが大きく変わってくる。

 EVの本格的な普及までまだ時間がかかりそうな状況であるから、こうした試算と、自分が乗りたいクルマを比較して、クルマ選びを楽しんでみてはいかがだろうか。

令和3年度補正予算における補助対象車両・設備の補助額 表1
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令和3年度補正予算における補助対象車両・設備の補助額 表2
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令和3年度補正予算における補助対象車両・設備の補助額 表3
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令和3年度補正予算における補助対象車両・設備の補助額 表4
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令和3年度補正予算における補助対象車両・設備の補助額 表5
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