3月31日からEVの購入補助金上限額が最大85万円に! EVとHV 純ガソリン車の年間維持費を比べてみた!

■燃料代は燃費と燃料種類、充電プランによって大きな違いが

■年間6000km走行した場合の燃料代と燃費
・リーフe+X:5万3000円/7km/kWh
・ヤリスクロスG:7万2800円/14.0km/L
・ヤリスクロスHV G:5万1000円/20km/L
・ノートe-POWER S:5万8200円/17.5km/L
・キックスX:5万5100円/18.5km/L
・マツダ2 XDプロアクティブ(ディーゼル):4万6100円/19.5km/L

 ガソリンはレギュラーガソリン1L、170円として、各車種の燃費はユーザー参加の燃費サイト「e燃費」の平均燃費を参考にさせてもらった。不思議なことにノートe-Powerよりも同じパワーユニットを搭載したキックスの方が実燃費のデータが良いのである。これはユーザーの地域性などが平均燃費に反映されたものかもしれない。

 つまりノートはコンパクトなボディから都市部のユーザーの比率が高く、キックスは郊外のユーザーの比率が高め、ということが想像できる。実際に購入される方は自分の使い方から、この平均燃費よりも低くなるか高くなるか、想像して判断してほしい。

 なお、年間の走行距離は少し少なめの6000kmに設定。これは燃料価格が高騰中のため、節約して外出を控える傾向にあることを想定したものだ。

 そして難しいのはリーフの電費だ。平均値から必要な電力量は分かるが、急速充電と普通充電ではコストがまるで違う。集合住宅で自宅に充電設備がないユーザーは急速充電一択になるが、それを選ぶのはレアケース。EVの基本は普通充電での使用であり、急速充電は経路充電(目的地までの途中での充電)のための方法と考えるべきなのだ。

 テスラのようにバッテリーの冷却機能がしっかりしているEVであれば、急速充電をメインとしてもバッテリーの劣化は低く抑えられるが、リーフには冷却機能が備わっていないので、急速充電とりわけ30分の急速充電をその場で2回繰り返す「おかわり充電」などを行なうと、バッテリーの寿命を縮めてしまう。

 そこで今回は個人ユーザーが週末に時々遠出するとして、月に2回急速充電を利用すると仮定すると日産のZESP3(急速充電器の利用制度)に加入してプレミアム10というコースを利用するケースを想定した。

 電費を7km/kWhとすると、年間6000km走行するのに必要な電力はおよそ857kWh。普通充電の単価を26円/kWhとして、すべてを普通充電で賄えられれば2万2000円で済むが、片道150km以上のドライブを楽しむとなれば急速充電を頼らない訳にはいかない。

 ZESP3の3年定期契約を結ぶと10分×10回分の急速充電が月額2750円で利用できる。これを1年にすると3万3000円だ。

 90kW出力の充電器を利用して70kWで急速充電できるディーラーが今後増えると仮定して、30分の急速充電で25kW充電できると考えると、およそ月に83kWhは急速充電でカバーできるとなれば、普通充電は774kWhで済むことになるので、電気料金は2万円で済む。ということは、年間のトータルでの充電コストは5万3000円ということになる。

 クリーンディーゼルのマツダ2は、燃料代の安さと燃費の良さはやはり魅力だ。1年間の燃料コストは唯一の4万円台半ばとなっている。それでも現時点での軽油の平均価格は150円/Lとなっており、2年前と比べると3割近くは上昇している。

■エンジン車にはエンジンオイルの交換が必要

エンジン車の場合エンジンオイルの交換は必須になる。新車の場合1000km点検時と、走行距離にもよるが最低でも年1回は交換が必要(mario beauregard@AdobeStock)
エンジン車の場合エンジンオイルの交換は必須になる。新車の場合1000km点検時と、走行距離にもよるが最低でも年1回は交換が必要(mario beauregard@AdobeStock)

■メンテナンス費用(主にオイル交換)
・リーフe+X:なし
・ヤリスクロスG:2万円
・ヤリスクロスHV G:2万円
・ノートe-POWER S:2万2000円
・キックスX:2万2000円
・マツダ2 XDプロアクティブ(ディーゼル):3万4000円

 メンテナンス費用はエンジン車の場合、新車から3年間はエンジンオイル交換だけは必要であり、12ヶ月点検は自分で行なうと想定して、オイル交換代を算出。新車から最初の1000kmでオイルフィルターとエンジンオイルを交換し、その後は1年に1回のオイル交換で2回に1回フィルター交換をするとすれば、3年間で4回のオイル交換を行なうと予想。

 そのうち2回はフィルター交換を行なうとして計算した。3年経過の車検時にもオイル交換をすることになるが、売却する可能性も考え、今回はその分は含めていない。

 トヨタディーラーはエンジンオイルの交換料金を明示しているところが多く、それらを参考にすると3年間のオイル交換コストは2万円。カー用品店やガソリンスタンドで交換しても、それほど安くはならないと思われる。むしろ実際にはディーラーで12ヶ月点検と一緒に交換してもらった方が安心ではある。

 日産車の場合、ディーラーがオイル交換の費用を明示している例が少なく、ユーザーの証言などからオイル交換の費用を見つけ、それを参考に3年分の費用を推測した。

 クリーンディーゼルのマツダ2は、燃料代は安いもののエンジンオイルは4Lを必要とするため、メンテナンス費用は少々嵩む。オイルフィルターを含めるとオイル交換代は9000円を超えるというユーザーの報告もあるから、ディーラーでオイル交換を行なうのであれば、メンテdeパックと呼ばれるメンテナンスパックを利用した方がお得だ。

 これは6カ月毎の点検とオイル交換をセットにしたもので、30ヶ月コースなら7回分のオイル交換が入って価格は4万~5万円(ディーラーにより異なる)。平日限定のプランで3.7万円を掲げているところもあるので、購入前に地元のマツダディーラーのメンテナンスパックがどういう内容なのか把握した上で検討した方がいいだろう。

■3年間の燃費&メンテナンスコスト+自動車税
・リーフe+X:19万6000円
・ヤリスクロスG:30万7400円
・ヤリスクロスHV G:24万2000円
・ノートe-POWER S:26万5600円
・キックスX:25万6300円
・マツダ2 XDプロアクティブ(ディーゼル):24万1300円

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