不安と怒りが世界中を覆っているロシアのプーチン大統領のウクライナ侵攻ではないが、今日のように、時代の「危機」「急変」に際しては、「栄枯盛衰」という言葉がふと頭をよぎる。また、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の場面にある源平合戦を描いた『平家物語』の冒頭の句にも「盛者必衰」という熟語がでてくる。
栄えていたものが勢いを失ったり、逆に衰えていたものが勢いを取り戻したりするという、この世の無常を表わしているが、時代は移り、世の中が変わっても、この道理は変わらないものである。
構造改革に取り組む三菱自動車が、岐阜県坂祝町にある子会社のパジェロ製造の完成車工場を、製紙業界大手の大王製紙に売却するという報道が流れて、商売柄、企業の「栄枯盛衰」には、飽き飽きしながらも、何とも言えない複雑な心境になった。
文/福田俊之、写真/三菱自動車、パジェロ製造、トヨタ、ホンダ
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