中古車の平均取引価格が初の100万円超え!! ウクライナ情勢の影響を受けて高水準が続くのか?

■新車の納期遅延も中古車相場値上がりの要因

 大手のオートオークションで2022年2月の中古車の平均落札価格が100万6000円となり、なかでも軽自動車の価格が上昇しているということがニュースになった。

 オートオークションに出品したり、競り落としたりしている知り合いの中古車販売スタッフに話を聞くと、全体的に人気車の新車に近いコンディションのクルマや未使用車は新車の納期遅延で納車前に現在所有しているクルマの車検が切れてしまうというユーザーによって取り合いとなってプレミアム価格となっているそうだ。

 つまり、今回の平均落札価格の上昇の要因のひとつは、もともと価格の高い高年式の中古車が大量に市場に出回り、しかも車検を迎えてクルマの買い換えを考えていた多くのユーザーが、新車の納期に耐えられず、未使用車や高年式車に手を出したことで人気が上昇し、落札価格が上昇したと考えるのが妥当だろう。

■なぜか多い軽自動車の新古車が中古車価格を押し上げる

 値上がりが目立つのが軽自動車というのは、登録車に比べて軽自動車のほうが大量に高年式、低走行距離の未使用中古車が多いからだ。

 例えば、軽自動車販売台数ナンバーワンを続けているホンダN-BOX。2017年に登場した現行2代目モデルの中古車は約9300台流通しているが、2021~2022年式、走行距離500km以下という中古車は約2700台流通している。実に現行型N-BOXの中古車の約29%にのぼっているのだ。

日本で一番新車が売れているN-BOX。中古車の平均価格が3カ月前の2021年12月の122万円から現在は131万円へと9万円の値上りを記録。これも新古車増加の影響か?
日本で一番新車が売れているN-BOX。中古車の平均価格が3カ月前の2021年12月の122万円から現在は131万円へと9万円の値上りを記録。これも新古車増加の影響か?

 同様にN-BOXと同じ軽スーパーハイトワゴンのスズキスペーシアでは、2021~2022年式、走行距離500km以下という中古車は約1720台流通していて、現行型スペーシアの約40%。ダイハツタントでは約1020台流通していて、約34.5%が未使用中古車となっているのだ。

 これだけ見ても、現行型の軽自動車は未使用中古車が多く流通していることがわかる。こうした価格の高いモデルが多く市場に流入すれば価格が上昇するのは当然のことだ。

■ロシアへの中古車の禁輸で取引価格が下がる??

 加えて、この取引価格の上昇はウクライナ情勢の緊張によって、ロシアへの輸出がストップしたために、中古車の取引価格が下がり始めたという記事を目にした。

 このことも、知り合いの中古車販売店スタッフに聞くと、そんな単純なことではないと話す。日本の中古車ビジネスはグローバル化が進んでいて、世界各地へさまざまな中古車が輸出されており、多くの利益を上げている中古車販売店はこの海外輸出に力を入れているという。ちなみに、ロシアはアクアやプリウスといったハイブリッド車やレクサスLXといった高級SUVが非常に人気だという。

 それらの直近3カ月の中古車の平均価格の推移を調べてみると、中古アクアの平均価格は2022年1月の時点で約90万円、現在は約95万円で値上がっている。中古プリウスの平均価格は約130万円から約134万円へと値上がり。そして、レクサスLXは約1010万円から約990万円へと逆に値落ちしている。

 こうして見ると、ロシアで人気の高いモデルはそれほど値落ちに転じているわけではないことがわかる。別の事情通に聞くと、ロシアへ直接輸出することはできなくなるかもしれないが、ドバイなどを経由して輸出されるので、ほとんど影響がないのではないかと話してくれた。

ウクライナの情勢緊張によって国産車だけでなく、輸入車の部品供給が厳しくなるとも言われているので、中古車の落札価格はしばらくの間、高値で安定すると考えたほうがいいだろう。

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