■残価設定ローンの賢い使い方
残価設定ローンで月々の返済額を抑えるには、残価の高い車種を選ぶ。
例えば3年後の残価率(新車価格に占める残価の割合)が40%なら、3年間に残りの60%を分割返済するが、残価率が60%なら40%を返せばいい。
最終的に60%の残価を支払い、自分の所有にする場合はメリットが薄れるが、車両を返却するなら返済額を節約できる。
具体例を挙げると、1.5Lノーマルエンジンを搭載するヤリスクロスZの新車価格は221万円だ。同じエンジンを積んだヤリスZは197万1000円で、アルミホイールをオプション装着してヤリスクロスZと条件を合わせると、総額は205万3500円になる。オプション価格を含めても、ヤリスクロスZは、ヤリスZに比べて15万6500円高い。
ところが上記の条件で3年間の残価設定ローン(頭金のない均等払い)を組むと、月々の返済額はヤリスが4万4000円、ヤリスクロスは4万100円だから3900円安くなる。
3年後の残価率がヤリスクロスZは新車価格の52%、アルミホイールをオプション装着したヤリスZは39%と大幅に下がるから、ヤリスクロスは新車価格が15万6500円高いのに、月々の返済額は3900円安くなるという逆転現象が起こる。
このように残価設定ローンを使う時は、残価率の高い人気車を選ぶことが大切だ。ちなみにランドクルーザーは人気が際立って高く、3年後の残価率は70%に達する。残りの30%を返済すればいい。
そして残価設定ローンでは、前述のヤリスZのようにオプションパーツを加えると、残価率が下がる。残価設定ローンを利用して、価格のわりに月々の返済額を抑えたいなら、欲しい装備がオプションではなく標準装着された上級グレードを選ぶ。
このように残価設定ローンは、リセールバリューの高い人気車の上級グレードが欲しい人に適する。
また残価設定ローンでは金利に注意したい。ホンダ、スズキ、日産などの販売会社では、決算期や新型車が発売された時など、販売促進を目的に年率1・9〜2・9%の低金利を実施する。車種や期間を限定して行うから、販売会社のホームページを確認したい。
■サブスクの賢い使い方
サブスクは月々の支払い額が一定だから、クルマの出費をシンプルにしたいユーザーに適する。自営業者では、経費の計上もしやすい。
サブスクの損得勘定を分けるのは、任意保険料が車両の使用料金に含まれるか否かだ。KINTOなどのサブスクには、ユーザーを限定しない任意保険が、車両保険まで含めて標準付帯される。
従って契約者の子どもが親の承諾を得て未成年の友人とドライブに出かけ、その友人が運転中に交通事故の加害者になった時でも任意保険を使える。
このような事故率の高い若年層まで補償され、なおかつ家族限定なども設定しない任意保険は保険料が高額だから、そこに該当するユーザーは利用するメリットが特に大きい。
任意保険を頻繁に使って、等級が下がったユーザーも同様だ。サブスクでは標準付帯される任意保険が使われるから、ユーザー自身の加入する任意保険の等級が下がっても影響を与えない。
逆に任意保険の等級が高まったユーザーはメリットが乏しい。サブスクの終了後に、再び自分でクルマを買って任意保険に加入するには、高い等級を保てる任意保険の中断などを行う必要もある。このようなユーザーは、残価設定ローンのメリットが大きい。
このほかKINTOでは、海外転勤や運転免許返納時に、解約金を支払わずに中途解約できる制度もある。だから、近々運転を終える可能性のあるユーザーにも適する。ただしこれらのサービスは、サブスクに応じて異なるので内容を注意したい。
このほか最近は、中古車のサブスクも増えた。ホンダマンスリーオーナーのように、中古車を使って、最短では1カ月から利用できるサービスもある。
サブスクは若年層を含めてクルマの需要を掘り起こす試みだから、いろいろなサービスが実施されている。ニーズに応じて使い分けたい。なおサブスクも、残価設定ローンと同様、人気車のほうが不人気車に比べて料金を割安に設定する傾向がある。
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残価設定ローンの人気、サブスクの台頭など時代に合わせたサービスが闊歩している。クルマを手に入れる際、現金購入、ローン購入も含めてどの方法が自分に合っているのかを吟味することで、効率のいいカーライフが遅れるハズ。
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