日産「シーマ」と「フーガ」が今夏、生産終了することが報じられた。かつては、サニー、ブルーバード、プリメーラ、セフィーロ、ティアナ、セドリック/グロリア、ローレルなど、セダンを多くラインアップしていた日産だが、シーマとフーガの引退により、今後セダンはスカイラインのみとなる。
どちらもデビューから10年前後も経っており、また、その販売状況を考えると仕方のないところではあるが、プリメーラ、スカイラインと、日産のセダンを乗り継いできた筆者としては、非常に悲しい。
絶滅が危惧される日産のセダン。日産セダンの数々の名車たちを振り返りつつ、日産セダンの今後について考察しよう。
文/吉川賢一、写真/NISSAN
■振り返れば名車ばかり!! 全盛を極めた日産セダン
とにかく名車の多い日産のセダン。本当はすべて振り返りたいところではあるが、今回はとくに筆者の印象が強い、3車種を振り返ろう。
●ブルーバード(1959年~2001年)
空前のヒットとなった「510型系」や、「U12型系」など、歴史にその名を残してきたブルーバード。日本を代表するファミリーカーとして、40年以上という長きにわたって国内販売されていた。
なかでも爆発的ヒットをしたのが、1967年から1972年にて販売された「3代目ブルーバード(510型系)」だ。また、1987年から1991年まで販売された「8代目ブルーバード(U12型系)」も名車と名高い。
今では後継車のシルフィも廃止となってしまってはいるが、クルマ好きとしては、再び「ブルーバードの後継車」に登場してほしい。個人的には、新型「シルフィ」が国内販売されて、「SSS」の冠を背負った「限定バージョン」が登場……なんてシナリオに、ひそかに期待している。
●セドリック/グロリア(1960年~2004年/1959年~2004年 ※プリンス時代含む)
高級FRセダン「フーガ」の前身であるセドリック/グロリア。特に筆者の記憶に残っているのは、Y31~Y33の時代。
大きくて背の低い、スタイリッシュで豪華絢爛なラグジュアリーセダンながらも、V6エンジンや電子制御5速ATなど、新たなメカニズムをいち早く採用搭載するなど、走りの素質も高いスポーツセダンでもあった。
なかでも、Y32に設定された、丸目4灯のグランツーリスモのカッコよさはハンパなく、お金さえあれば、手に入れてみたい一台だった。
1990年代後半、経営危機に瀕した日産のリバイバルプランの一環で、セドリック/グロリアは廃止となったが、後を継いだフーガも廃止となれば、セドグロの系譜は一切途絶えることになる。なんとも寂しい限りだ。
●スカイライン(1957年~)
日本のみならず、海外でもファンの多い「スカイライン」。第2世代の貴重なスカイラインGT-Rが、とんでもない価格で海外に輸出されているのはご存じだろう。
どうしてもスカイラインGT-Rの知名度の方があるので、陰に隠れてしまうのだが、ベースとなるスカイラインセダンの実力も相当に高かった。ドレスアップやチューニングもしやすく、当時の若者には人気絶大であった。
そんなスカイラインの現行モデルは、13代目となるV37型。2013年11月の登場と、すでに9年目に突入した古いモデル。もう一度セダンとしてフルモデルチェンジのチャンスがあるのか、それとも、セダンではなくなるのか(4ドアクーペやクロスオーバータイプとなる可能性もある)、次期型が気になるところだ。
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