近年のクルマは、本当に故障が少なくなった。故障が少なくなったことで「ちょっとくらいメンテナンスしなくても大丈夫」と根拠もなく思い込んでいる人もいるようだが、メンテナンスをしなくていい、というわけではない。全くメンテナンスをしなければ、重大な事故を引き起こす原因にもなるし、大切な愛車の寿命を縮めてしまうことにもなる。
「10年10万キロ」がクルマ買い替えの目安ともいわれているが、メンテナンスをしっかりしていれば、もっともっとクルマは元気に走ってくれる。新車購入して15年、無故障で乗り続けるためにやってほしい、クルマのメンテナンスをいくつかご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
アイキャッチ写真:Adobe Stock_pathdoc
写真:写真AC、Adobe Stock
オイル交換は必須!!
クルマにとって、エンジンオイルは、人間にとっての血液と同じ。どろどろの血液では、人間が病気になるのと同様、汚れたオイルのままではクルマに不具合をもたらし、最悪の場合、故障してしまう。
オイル交換のサイクルは車種によって異なるが、ガソリン車のノーマルコンディションで1万km〜1万5000kmごと、ターボ車、ディーゼル車で5000km〜10000kmという指定が多い。JAFでもそのように推奨されている。昔のクルマよりも、随分長いサイクルでよいことになってはいるのは、エンジンオイルの耐久性が向上したため。まさに技術の向上の恩恵によるものだ。
しかし、「シビアコンディション」の場合は、交換サイクルは短くすることが推奨される。シビアコンディションとは、悪路や雪道、山道や登降坂路での走行が多い場合や、年間走行距離が多い(2万km以上など)場合、また多人数乗車や荷物をたくさん積載しながら走ることが多い場合、そして、短距離移動やアイドリングが多い場合などだ。
「シビアコンディション」ときくと、クルマに負担がかかる使い方を思い浮かべがちだが、クルマにとっては「ちょっとそこまで」もシビアコンディションとなることは知っておいてほしい。
また、クルマのエンジンは、メーカー純正オイルを使用する前提で開発されているため、交換するオイルも、メーカー純正オイルを使っておくと安心。最近の低燃費エンジンは、オイルによって性能が左右される場合もあるし、メーカー純正オイルを使用していれば、万が一のトラブルの際、保証期間内であれば保証の対象となるためだ。
エンジンオイルは、交換時期を超えてしまうとすぐにエンジンの調子が悪くなるというわけではない。それだけに先延ばしにしがちではあるが(気持ちはわかる)、長く乗り続けるためには必須。定期的な交換を意識してほしい。
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