■やがてユーザーのニーズもステーションワゴンからミニバン、SUVへ・・・
1994年に初代オデッセイがデビューした直後、90年代半ばあたりから少しずつミニバンの勢いが増していった。
車高や全高があるミニバンはステーションワゴンのようにスタイリッシュではないが、室内が広く、快適で、荷物を積むスペースも広々としていた。
室内のウォークスルー機能やさまざまシートアレンジなど、ひと言でいうならステーションワゴンよりもミニバンの方が「圧倒的に使い勝手がいい」のだ。
これにスライドドア、さらに両側電動スライドドアを装備したミニバンであれば、ファミリー層のとってこれほど便利なクルマはない。
こうして、かつてのステーションワゴンと同様に、それまではどちらかというとニッチなクルマだったはずのバンが「ミニバン」というポジションを確立していった。そして急速にそのシェアを伸ばしていったのだ。
その一方で、ミニバンでは所帯じみているし、野暮ったいと感じるユーザーがいたことも事実だ。
ミニバンのような快適性と実用性、そしてステーションワゴンのようなスタイリッシュな外観。トヨタハリアーに端を発する、これらを組み合わせたいいとこ取りの「SUV」が勢いをつけはじめた。
スタイリッシュな外観を持つSUVは若い世代のクルマ好きにも受け入れられ、ファミリー層だけでなく独身のユーザーが所有するケースも珍しくなくなった。
■まとめ:日本におけるステーションワゴンの未来とは?
いまや、ステーションワゴンとして新車で購入できる日本車はトヨタカローラツーリング、マツダ6ワゴン、スバルレヴォーグ、スバルインプレッサスポーツの4車種しかない。
むしろ、輸入車の方が選択肢は豊富だ。特にドイツ車はメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンをはじめ、いまやポルシェにもステーションワゴンが存在する。しかし、バブル期と変わらず、輸入車はどれも総じて高価だ。
たとえばDINKs(結婚していて子どもがいない夫婦)や単身者であれば、多くの場合、ミニバンは不要だろう。
また、子どもがいる世帯でも、住まいの駐車場が立体式であれば、SUVだと止められないケースも少なくない。いざとなればセカンドシートを倒して広大な荷室に早変わりだ。
ミニバンでもSUVでもない、ましてやセダンでもない。ステーションワゴンに乗りたいんだ!!というユーザーが少なからず存在する。
これから先、かつてのステーションワゴンブームのような勢いはもう難しいかもしれないが、何とかこの「ステーションワゴン」というカテゴリーの火が消えることのないよう、切に願うばかりだ。
【画像ギャラリー】1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?(15枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方