1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?

■やがてユーザーのニーズもステーションワゴンからミニバン、SUVへ・・・

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
ステーションワゴンからミニバンへと多くのユーザーが舵を切るきっかけになったともいえるホンダオデッセイ

 1994年に初代オデッセイがデビューした直後、90年代半ばあたりから少しずつミニバンの勢いが増していった。

 車高や全高があるミニバンはステーションワゴンのようにスタイリッシュではないが、室内が広く、快適で、荷物を積むスペースも広々としていた。

 室内のウォークスルー機能やさまざまシートアレンジなど、ひと言でいうならステーションワゴンよりもミニバンの方が「圧倒的に使い勝手がいい」のだ。

 これにスライドドア、さらに両側電動スライドドアを装備したミニバンであれば、ファミリー層のとってこれほど便利なクルマはない。

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
屋根の上に大人2人が寝られるテント(オートフリートップ)を装備した、マツダボンゴフレンディ

 こうして、かつてのステーションワゴンと同様に、それまではどちらかというとニッチなクルマだったはずのバンが「ミニバン」というポジションを確立していった。そして急速にそのシェアを伸ばしていったのだ。

 その一方で、ミニバンでは所帯じみているし、野暮ったいと感じるユーザーがいたことも事実だ。

 ミニバンのような快適性と実用性、そしてステーションワゴンのようなスタイリッシュな外観。トヨタハリアーに端を発する、これらを組み合わせたいいとこ取りの「SUV」が勢いをつけはじめた。

スタイリッシュな外観を持つSUVは若い世代のクルマ好きにも受け入れられ、ファミリー層だけでなく独身のユーザーが所有するケースも珍しくなくなった。

■まとめ:日本におけるステーションワゴンの未来とは?

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
現時点で購入できるステーションワゴンの1台、トヨタカローラツーリング

 いまや、ステーションワゴンとして新車で購入できる日本車はトヨタカローラツーリング、マツダ6ワゴン、スバルレヴォーグ、スバルインプレッサスポーツの4車種しかない。

 むしろ、輸入車の方が選択肢は豊富だ。特にドイツ車はメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンをはじめ、いまやポルシェにもステーションワゴンが存在する。しかし、バブル期と変わらず、輸入車はどれも総じて高価だ。

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
レガシィツーリングワゴンからレヴォーグへと姿を変えたが、国産ステーションワゴンの王道であることに変わりはないといえる1台

 たとえばDINKs(結婚していて子どもがいない夫婦)や単身者であれば、多くの場合、ミニバンは不要だろう。

 また、子どもがいる世帯でも、住まいの駐車場が立体式であれば、SUVだと止められないケースも少なくない。いざとなればセカンドシートを倒して広大な荷室に早変わりだ。

 ミニバンでもSUVでもない、ましてやセダンでもない。ステーションワゴンに乗りたいんだ!!というユーザーが少なからず存在する。

 これから先、かつてのステーションワゴンブームのような勢いはもう難しいかもしれないが、何とかこの「ステーションワゴン」というカテゴリーの火が消えることのないよう、切に願うばかりだ。

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