1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?

90年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰とは?

 かつて、多くの日本車メーカーが競い合うように「ステーションワゴン」のカテゴリーでニューモデルを登場させていた時期がある。

 そのきっかけでもあり、台風の目となったのがスバルレガシィツーリングワゴンであることは間違いないだろう。

 レガシィツーリングワゴンの歴代のモデルのなかで、特に人気が高かったのは2代目のBG型ではないだろうか。

 今回、ステーションワゴンの栄枯盛衰を振り返ってみたい。あくまでも「また盛りあがって欲しい」という願いを込めつつ・・・。

文/松村透
写真/トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、メルセデスベンツ、ボルボ

【画像ギャラリー】1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?(15枚)画像ギャラリー

■レガシィツーリングワゴンが登場するまで、ワゴンはマイナーな存在だった

 セダンが日本車の王道だった時代、ワゴン(バン)はどちらかというとマイナーな存在であり、街中で見掛ける機会も少なかった。お洒落な実用車というよりも商用車のイメージが強かったかもしれない。

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
初代レガシィツーリングワゴンが登場する1年前、1988年にデビューしたスプリンターカリブ

 そこへ新たな風を吹き込んだのが、1989年にデビューしたスバルレガシィツーリングワゴンだ。スタイリッシュな外観、ハイパワーなエンジン、ステーションワゴンという新しいカテゴリーの誕生だ。

 流行に敏感な若い世代のクルマ好きがこれに飛びついた。RVブームだ。夏は海やキャンプ、冬はスキーなどのウインタースポーツを目指す「リゾートエクスプレス」として確固たる地位を確立した。

■2代目レガシィツーリングワゴンでステーションワゴンブームはピークに

90年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰とは?
1993年にデビューした2代目レガシィツーリングワゴン。1996年に追加されたGT-Bで最高出力が280ps(MT車)をたたき出した

 その後、1993年にデビューした2代目レガシィツーリングワゴン(BG型)の人気はすさまじいものがあった。

 なかでも上級グレードにあたる「GT」に搭載されたEJ20G型エンジンは、水平対向4気筒DOHCシーケンシャルツインターボはボクサーエンジン特有の音を発した。

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
2代目レガシィツーリングワゴンの内装。MOMO製のステアリングを標準装備していた

 さらに、社外品のマフラーに交換することでこの音色がより強調された。この音は「ボクサーサウンド」と呼ばれ、スバリスト以外のクルマ好きをも魅了したのだ。

 しかし、この特徴的なボクサーサウンドは、モデルチェンジを重ねるたびに音量が抑えられるようになり、当時のスバリストたちは複雑な心境を抱いたようだ。

■輸入車でもメルセデス・ベンツEクラスワゴンやボルボエステートも人気に

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
レガシィツーリングワゴンとともに、ステーションワゴンブームの火付け役となったメルセデスベンツミディアムクラス

 当時、国産ステーションワゴンとして頂点に君臨していたレガシィツーリングワゴンだが、それを上回る存在がいたことを忘れてはならない。

 メルセデスベンツEクラス(ミディアムクラス)ステーションワゴンや、ボルボエステートといった輸入車勢だ。

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
生産から30年以上経った個体も少なくないなか、いまだに街中で見掛ける機会が多い。根強い人気を誇り、歴代オーナーに大切に乗られているのだろう

 レガシィツーリングワゴンが全盛期の頃は、メルセデス・ベンツSクラスやセルシオといった高級車は「最上級モデルが売れた」時代でもある。

 当時を知る人であれば、より豪華かつステータスの高い、いわば「威張れる」「見栄が張れる」クルマがエライとされたことを覚えているだろう。

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
1995年に限定販売された、イエローのボディカラーが特徴的なボルボT5-R

 そのため、ステーションワゴンにもヒエラルキーが存在したことはいうまでもない。

 メルセデスベンツEクラス(ミディアムクラス)ステーションワゴンを筆頭に、ボルボ960や850系のエステートが続き、その次にレガシィツーリングワゴンといった具合だ。

1990年代に圧倒的人気を誇ったステーションワゴンブームの栄枯盛衰 今どうなった?
クラシカルな雰囲気を色濃く残すボルボ960をはじめ、240や940も人気があった

 メルセデスベンツAクラスや、ボルボV40といったエントリーモデルがデビューするのは90年代末のことだ。

 当時は日本国内における輸入車のシェアは5%台で推移していた時代。現在は9.3%(2021年11月現在/JAIA調べ)であることを考えると、今以上に少数派だったことが分かる。

次ページは : ■国産メーカーも相次いでレガシィツーリングワゴンのライバル車を発売

最新号

ベストカー最新号

新型クラウンの「新着」情報SCOOPに加え、2つの見逃せない大型特集!! ベストカー6月10日号

発売中のベストカー6月10日号は次期型クラウンの「新着」情報SCOOPに加え、2つの大型特集が絶対的に注目です! 「注目車の〇と×」特集なんて、20数台の〇と×をズバリ評価。他誌ではない企画です。BC名物の「乗り心地テスト」企画も復活しています!

カタログ