新型クラウンFF化で気になる……FRからFFに変更したクルマの「その後」

■ボルボ 240→ボルボ 850 最後のFR:(1974〜93年)→最初のFF:(1991〜97年)【大成功】

 ボルボ240は1974年登場のためもあり、FRだった。ボルボは高福祉なスウェーデンの社会環境などにより、モデルサイクルが長く、240も19年生産された。その間にボルボもFF化に舵を切ったのに加え、850は1990年代のクルマなのもあり、駆動方式以前に850の進歩や成功は当然だった。

■アルファ 75→アルファ 155 最後のFR:(1985〜92年)→最初のFF:(1992〜97年)【大成功】

75の消滅を惜しむ声は多かったが、DTMでの活躍などもあり155は大人気。そして156が爆発的ヒット(上:1985〜92年のFR、下:1992〜97年のFF)
75の消滅を惜しむ声は多かったが、DTMでの活躍などもあり155は大人気。そして156が爆発的ヒット(上:1985〜92年のFR、下:1992〜97年のFF)

 アルファ75はFRというだけでなく、ミッションがデフと一体のトランスアクスルだった点など、今考えるとBMW以上にプレミアムなところもあった。しかし、この頃アルファロメオは経営破綻寸前だったこともあり、後継車の155がフィアットベースのFFとなったのはやむを得なかった。

■BMW X1 最後のFR:初代(2009〜15年)→最初のFF:2代目(2015年〜)【成功】

 初代X1は初代1シリーズベースとなるFRのSUVだったが、2代目はプラットホームがBMW2シリーズツアラーやミニと共通になったためFFに移行した。X1に関してはFFながらFRに近いBMWらしいフィーリングを持つことと、間口の広いSUVなのもありFF化は成功と言える。

■BMW 1シリーズ 最後のFR:2代目(2011〜19年)→最初のFF:3代目(2019年〜)【微妙】

 1シリーズは2代目までのFRから3代目で、X1同様の事情でFF車となった。1シリーズがFFになったのは、キャビンが広くなった点など総合的にはメリットが多い。しかし、乗用系のBMWだけにイメージや2代目の中古車価格が意外に下がらないのを見ると、FF化は微妙。

■キャデラック セビル 最後のFR:初代(1975〜80年)→最初のFF:3代目(1986〜91年)【微妙】

 セビルは「欧州車的な部分も持つキャデラック」というキャラで、1980年登場の2代目でFF化。当時のアメリカは「乗用車はFFじゃないと新型車と思われない」という風潮があったようで、セビルのFF化も正解。ただ、セビルの後継車STS以降はFRだ。

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 車格やジャンルもあるにせよ、「結果はおおむねクルマの出来次第」が結論だ。これを頭に置くと、従来と逆の姿になる次期クラウンとマツダ6を含めたラージ商品群がユーザーに支持されるか興味深い。

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