ロシアへの経済制裁は関係なかった!!? 上昇傾向だった中古車価格が下落に転じた真相

■むしろ警戒されるさらなる中古車の値上がり! 今後はどうなる!?

新車の納期次第では、中古車相場が今後さらなる上昇を招いても不思議ではない(xiaosan@AdobeStock)
新車の納期次第では、中古車相場が今後さらなる上昇を招いても不思議ではない(xiaosan@AdobeStock)

 では、2月に最高値を記録した平均取引価格が3月には下がったのか。そもそも3月というのは中古車が1年を通じて、最も売れる大需要期だ。新卒や就職、転勤などで多くの人のライフスタイルが変わるタイミング。さらに、現在はコロナ禍により中古車の人気高まっている。

 一般的に中古車販売店は3月の大需要期に向けて品揃えを充実させようと、1月〜2月に中古車を仕入れるため、オートオークションの平均落札価格は上昇するのだ。

 そして、今回の平均落札価格が最高値を記録した要因は、流通している中古車の中身だと考えている。世界的な半導体部不足によって新車の納期遅延が発生しているのはご存じのとおり。

 しかし2月当時、軽自動車の新車販売台数No.1となったホンダ N-BOXをはじめとした、スーパーハイトワゴン系の未使用中古車が大量に発生し、市場に流入していた。実際、中古車の最高値を記録した記事を読んでみると、中古車の相場が上昇していると書かれている。

 価格の高い高年式の未使用中古車が大量に中古車市場に流入すれば、一時的に中古車の平均価格は上昇する。2022年2月の平均落札価格最高値の要因のひとつはこの軽自動車の未使用中古車の大量発生の影響といえる。

 また、これまで輸出されていた低価格帯の中古車をレンタカーやカーシェアリングの車両として使用する業者が増えてたことで、低価格の中古車が市場に出回りにくくなったこともの平均落札価格に影響を与えたことも間違いない。

 オートオークションでクルマを仕入れたり、出品したりしている中古車販売店に聞いてみると、実際には新車の納期遅延の影響で、中古車相場は高止まりしているという。特に高年式の未使用車や高品質車を中心に値上がり傾向となっているそうだ。

 平均落札価格は下がっているようだが、現場ではまったくそのような肌感覚はない。それどころか、新車の納期遅延が長引けば、買い取りや下取りされる予定だった中古車の流通が滞り、さらなる上昇の可能性もあるのではないかと戦々恐々としていた。

 中古車のグローバル化が進み、人気の高い日本車は様々な国へ輸出されている。日本から直接ロシアに輸出できなくても、UAEなどを経由して輸出が止まることはない。というのが賢明な考え方だろう。

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