海自最大の護衛艦「いずも」型が能力向上! いま空母化が求められるわけ


■艦載するF-35Bは航空自衛隊が運用

 さて、肝心のF-35Bをどうするのかというと、2024年度末までに6機を調達、配備する予定になっている。最終的には42機のF-35Bを導入することになっており、運用する航空自衛隊では宮崎県の新田原基地に配備する計画である。

 新田原基地をベースとして「いずも」や「かが」にF-35Bの飛行隊を派遣させることになる。海上自衛隊の護衛艦に航空自衛隊の航空機とともに操縦士や整備員が派遣飛行隊として乗り込み、作戦運用は艦内に設置される統合作戦司令部が行う。

 とはいっても防衛省によれば「F-35Bの部隊を艦に常時搭載するわけではない」という。

 ちなみに空母化した「いずも」や「かが」を最初に利用するのはアメリカ海兵隊のF-35Bである。これまで固定翼機を艦上で運用した経験のない海上自衛隊では空母や強襲揚陸艦で豊富は運用経験を持つアメリカ海軍や海兵隊から様々なことを学び、支援を受けなければならないからだ。そのための予算も計上されている。

 また初めてSTOVL機を保有・運用する航空自衛隊でも同様だ。航空自衛隊のパイロットにとっても、STOVL機を操縦したり、艦上で発着を行うのは初めてのことである。F-35Bの保有・運用に当たっては学ばねばならないことが多い。

 こうしたことからF-35Bを搭載した「いずも」や「かが」を自衛隊が本格的に運用できるようになるにはもう少し時間がかかると思われる。

 最後にF-35Bとはどのような航空機なのかを簡単に説明しておこう。第五世代の戦闘機F-35の派生型で、F-35はレーダーに映りにくいステルス性を持ち、また空中におけるリアルタイムの情報収集能力が高く、ネットワークを介して組織的な戦闘力を発揮できるといわれている。これからの戦争には欠かせない能力を持っているということだ。F-35にはA、B、Cの派生型がある。

 F-35BはF135-PW-600エンジンに推力変更方式の3ベアリング回転ノズルを取り付け、リフトファンを装備することで極く短い距離で離陸が行なえ、垂直着陸できる航空機である。他の派生型に比べ機体重力が重く航続距離は短いが、STOVL機であることが最大の特徴で、固定翼機の離着陸設備を持たない軽空母や強襲揚陸艦にはぴったりの機体だ。前線に狭い平坦地があれば運用できるので作戦運用能力も広がるという利点もある。

いずも型へは垂直着陸が可能なF-35Bが搭載される
【画像ギャラリー】改修がすすむ「いずも」型のディテールを見る(5枚)画像ギャラリー