最新のノア/ヴォク・ステップワゴン? それとも熟成のセレナか? 商品力と納期で考えるミニバン選び

■参戦を控える「第3の勢力」日産 セレナの状況は?

現行型日産 セレナ。気になるモデルチェンジ時期は、当初は2022年末といわれていたが、最近では2023年にずれこむと見込まれている
現行型日産 セレナ。気になるモデルチェンジ時期は、当初は2022年末といわれていたが、最近では2023年にずれこむと見込まれている

 新型ノア&ヴォクシー、そして新型ステップワゴンが納期遅延に悩まされるなかで、この2車のライバルとなる日産セレナは少々状況が異なっている。

 日産セレナは現状ではなかなかモデルチェンジ時期が読みにくい。当初2022年末との情報がメインで飛び交っていたが、最近では2023年になってからとされており、ややズレこむ見込みとなっており、販売現場でも「モデルチェンジは当初予定より先になりそうだ」との話が聞けた。

 販売現場で聞くと、希望車種が受注生産車(受注してからメーカーに生産を発注する)であっても4カ月ほどで納車となり、見込み発注(ディーラーが売れ筋車を先行して発注すること)車なら納期はさらに短くなり、ケースによっては翌日に納車することも可能とのことであった。」

 もちろん値引き額も拡大傾向となっている。ウエブサイト上であっても“45万円お得”といった表示は珍しくなく、50万円近い値引き額が常態化しているともいわれている。さすがにこのレベルの値引きはノア&ヴォクシーやステップワゴンでは難しいのが現状となっている。

 “早い(納期)”、“安い(値引き額拡大)”とくれば、この4車(ノア、ヴォクシー、ステップワゴン、セレナ)のなかで、販売台数ではセレナの圧倒的なひとり勝ちになってもおかしくないのだが、実態はそうでもないことになっている。

 自販連(日本自動車販売協会連合会)統計をベースに、先代ノア、ヴォクシー、エスクァイアが2021年9月末にオーダーストップとなっているので、翌月の2021年10月から2022年3月までの4車(ノア&ヴォクシーは合算、あとはステップワゴンとセレナ)の単月販売台数の推移をグラフにしてみた。

ミニバン3車販売台数の推移
ミニバン3車販売台数の推移

 2021年10月は日本国内において全般的に新車の生産工場の稼働停止などが行われ、新車販売台数はまさにボロボロの状況であった。

 そこから年末へ向け回復基調となり、ノア&ヴォクシーは先代モデルのバックオーダーの消化のための生産を続けた。そこにはディーラーの見込み発注分も含まれているので、各ディーラーは先代の在庫車も売りまくった。

 いつもどおりとはいかない、少なめの在庫のなかでも最後の1台まで積極的に売り尽くし、セレナやステップワゴンを寄せつけない結果となった。

 年が明け2022年になると、セレナのグラフが上昇傾向になっていることがわかる。ステップワゴンは2021年11月に現行モデルがオーダーストップ(あるいは生産終了)していると聞いており、グラフは下降している。

 ノア&ヴォクシーは1月についてはモデル切り替えの端境期であり、さらに2月も含めると、オミクロン株の感染爆発もあり生産の滞りも目立ち、バックオーダーは増え続けたが、納車が進まない状況がグラフから見えてくる。

 セレナは2021暦年締め年間販売台数ベースでの月販平均台数は約4900台なので、2月は約1000台、3月は約3100台多く販売している。しかし3月は事業年度末ということもあり、ノア&ヴォクシーの生産もかなり持ち直した結果。セレナはノア&ヴォクシーの合算販売台数に対し約54%となっている。

 ノアより売れているヴォクシー単体と比較すると104%とはなる。しかし、供給体制ではるかに苦戦しているトヨタの同クラスミニバンに対して納期が早く、値引きも破格提示が期待できるセレナへ流れるお客さんは限定的に見える。

 納車が2023年になるともいわれているノア&ヴォクシーを選ぶお客が依然としてこのクラスでは目立っているというのが統計からも見ることができる結果となった。

次ページは : ■ミニバン販売現場の事情

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