ワゴンRやフィットにもあったのに……サンルーフはどうして高級車の専売特許になったのか


 サンルーフといえば今も昔も人気の装備だ。機能も進化しており、ハリアーに至っては日差しが強いときは光をさえぎる機能もあるほどで、高価格帯のモデルを中心にラインアップされているのだ。だが、かつてはワゴンRやフィットといったお手頃な価格のモデルにもオプション設定されていた時代もあった。一体なぜサンルーフ=高級という図式が成り立つようになったのか!?

文:小鮒康一/写真:トヨタ・ホンダ・スズキ

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気付けばオプション設定されていない車種が多数のサンルーフ

先代ノア/ヴォクシーはオプション設定されてたが、新型モデルから廃止。それほど装着率が下がっているのだ

 未だに一部の自動車ユーザーからは高い人気を誇っている装備のひとつとしてサンルーフが存在している。だが、気付けばオプションとして設定されている車種もどんどん減ってきてしまっており、サンルーフが設定されているのは、一部の高価格帯の車種のみとなってしまっている。

 例えば今年の1月にフルモデルチェンジを果たしたノア&ヴォクシーに関しても、先代モデルでは設定されていたサンルーフ(トヨタではムーンルーフと呼称)が新型では設定なしとなっているのだ。

 過去には軽自動車からコンパクトカー、商用ワンボックスバンにまで設定されていたこともあったほど人気装備だったサンルーフが、どうして今は高級車のみに設定される装備となってしまったのだろうか?

先代ノア/ヴォクシーの装着率はごく少数……需要が激減していた

 大きな要因のひとつとして挙げられるのは、やはり需要の減少だろう。前述の先代ノア&ヴォクシーを例にとってみても、某中古車サイトでチェックしてみると4700台弱の掲載台数のうち、サンルーフを装着した車両はわずか60台弱となっており、わざわざサンルーフのオプションを選択するユーザーはかなり減っていると言える。

 解放感や見た目のアクセントとしても効果的なサンルーフではあるが、サンルーフを選ぶユーザーの理由のひとつとして車内の換気を理由に選択するユーザーも少なからず居たそうなのだが、近年では喫煙率が大きく下がっていることもサンルーフ需要の減少に拍車をかけているとも言われているのだ。

bBとクラウンのサンルーフ価格が同額!? 高級車以外は割高な印象

200万円前後で購入できたトヨタbBだが、当時のクラウンとサンルーフの価格が同じであった。そう考えればお手頃価格のモデルからサンルーフが消えるのも納得である

 サンルーフの装着率を下げているその他の理由としては、やはりその価格も少なからず影響しているのは間違いない。サンルーフの装着率がまだ高かった90年代などでは「せっかくクルマを購入するのなら、いろいろ装備をプラスしたい」と考えるユーザーもまだまだ多かった。

 しかし、近年ではクルマの選び方も大きく変わってきており、なるべく安価な出費で抑えたいと必要最低限の仕様を選ぶユーザーも増えてきている。そこへきて数万円から十数万円のエクストラコストが必要となるサンルーフは選択される率が大きく下がってしまったのだろう。

 またサンルーフを装着するための費用も車格によって異なるかというとそうでもなく、同一の機能を有するのであれば価格差も少ないことが多い。例えば同時期に存在していた11代目のクラウンと初代bBに設定されていた「チルト&スライドムーンルーフ(電動式)」は機能に差がないため価格もどちらも+9万円となっていた。

 車両本体価格は2倍以上違う両車でもオプション価格が同一ということになると、そのオプションを付けることで上がる支払総額の割合もあがってしまうため、軽自動車やコンパクトカーにサンルーフを装着することは割高感が強くなってしまったというのも要因と言えそうだ。

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