アルファード、ランクル、ルーミー…「天下無双のクルマ」はどれ?

■Section 03

■NISSAN GT-R

●世界トップレベルの爆発的速さは健在

2007年発売時の価格は777万円で、10年後の今は最廉価のピュアエディションが1023万840円だ。約246万円の値上げで、シルフィGやセレナXが買える金額だが、それでも納得させる走行性能を発揮する。今は見慣れたが、発売された時は大騒ぎだった。今後も値上げしていいから着実に進化させながら作り続けて欲しい。今の時代、GT-Rは存在しているだけで価値がある。

●渡辺陽一郎の“無双度”チェック……90

■HONDA シビックタイプR

●ニュルFF世界最速を誇るハッチバックスポーツ

1997年登場の初代シビックタイプRは小さなボディに1.6LのVTECを搭載し、テクニックを駆使する走りが楽しかった。価格は199万8000円だ。2Lターボで320馬力を発生する450万360円の現行型は別のクルマに思える。それでもFFの王者だが、唐突に発売された印象が強い。この種のクルマには「なぜ今登場したのか」というストーリーが重要なのに、今のシビックタイプRにはそれがない。

●渡辺陽一郎の“無双度”チェック……88

■HONDA NSX

●最先端技術満載のスーパースポーツ

生産規模が小さく、発売後も受注を停止していたが、今は人気が落ち着いて納期も約10カ月と短い。2370万円を支払えれば、普通に買える。運転感覚はアウディR8に似て普通に扱えるが、停車から時速100kmまでの所要時間は約3秒だ。しかもハイブリッドだからJC08モード燃費は12.4km/L。初代NSXに比べるとインパクトが弱いが、高性能と低燃費の両立は受け継いだ。

●渡辺陽一郎の“無双度”チェック……85

■HONDA S660

●日本独自のマイクロ本格スポーツ

NSXのようなスーパーカーは豊富に揃うが、S660のような軽自動車のスポーツカーは違う。日本独自の規格で海外メーカーは用意しない。しかもS660は、先代N-BOX用に空間効率を重視して開発された縦長のエンジンを積む。エンジンがボンネットには収まらず必然的にミドシップとなった。社員から募ったアイデアに基づいて、紆余曲折を経て誕生した小さな“無双”だ。

●渡辺陽一郎の“無双度”チェック……91

■HONDA N-BOX

軽自動車のレベルを超えた意欲作

2017年の国内販売ではN-BOXが1位。以前から軽自動車の年間1位になっていたが、プリウスなどを抜いて国内1位になったのは2017年が最初だ。しかも現行型の発売は9月だから先代型の台数が影響した。現行型は先代の発展型で、見た人を必ず驚かせる広い車内などの特徴を受け継ぐ。その上で時代のニーズに沿って安全装備を充実させた。正攻法の開発で誕生した生粋の“無双”だ。

●渡辺陽一郎の“無双度”チェック……93

■MAZDA ロードスター

●世界を代表するオープン2シーター

楽しいクルマであるには、停車中の価値も大切だ。車中泊もそのひとつだが、スポーツカーにも求められる。愛車から降りて振り向いた時「やっぱりカッコイイ、買ってよかった」と思わせねばならない。86やBRZはこれが希薄だが、ロードスターには造形の美しさ、開閉可能なソフト/ハードトップにそれがある。オープンにすれば、買い物に出かける移動もファンなドライブに変わる。

●渡辺陽一郎の“無双度”チェック……90

■Section 03 まとめ

このセクションの候補車のなかで最も「無双度」が高かったのはなんとN-BOX(93%)。GT-R、ロードスター(ともに90%)、S660(91%)という日本を代表するスポーツカーを抑え、しかも競合車がひしめき合う軽自動車のなかで「天下無双」の称号を得たのだからすばらしい。

いっぽうで、シビックタイプR(88%)、NSX(85%)は惜しくも90%に届かず。

軽自動車はライバルのなかから頭ひとつ抜けるだけでも大変なのに、N-BOXはとうとう天下無双の高みに到達してしまった。スゴいの一言。

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