2021年7月に、トヨタ新型アクアが発売された。ハイブリッド専用車として生まれ変わってから、早1年経過した。
2021年8月から12月にかけての登録台数は、堅調だったものの、2022年1月以降の登録台数が減少傾向にある。2022年4月の登録台数は2693台と、2021年1カ月平均より半分以下となっている。そして、先日発表された2022年5月登録台数では、3288台という記録だった。
そこで本稿では、ここまで現行型アクアの販売が低迷した理由をさまざまな視点から解説と考察をする。さらに、今後の登録台数ランキングの見方についてもお届け。
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、平野 学
【画像ギャラリー】売れ筋カテゴリーで低迷するアクアと、選択肢が豊富なトヨタのコンパクトハイブリッド車たち(24枚)画像ギャラリートヨタ現行型アクアの販売状況とは?
今はクルマの価格が高まった影響もあり、コンパクトカーの売れ行きが好調だ。小型/普通乗用車の約40%を占めて、SUVやミニバンを上まわる。
またパワーユニットでは、ハイブリッドの人気が高い。今は国内で売られる小型/普通乗用車の45%が、モーター駆動を備える電動車になった。ハイブリッドはその主役となる。
そこで小型/普通車の販売ランキングを見ると、上位に入る車種の大半に、ハイブリッドが用意されている。その意味でアクアは、ノートと並んで今の売れ筋路線に沿っている。5ナンバーサイズのコンパクトカーで、なおかつハイブリッド専用車になるからだ。
アクアの売れ行きを振り返ると、2021年7月に現行型へフルモデルチェンジされ、同年8月から12月までの1カ月平均登録台数は8895台に達した。アクアはノーマルエンジンを用意しないから、売れ筋の価格帯は、2WD・Xの209万円からZの240万円だ。コンパクトカーでは価格帯が高いから、1カ月平均で9000台弱を登録すれば立派なものだ。
ところが2022年に入ると、アクアの売れ行きに異変が生じた。月別の登録台数が、1月は9857台、2月は6317台、3月は8175台、4月は2693台と下がってきた。3月には、登録台数自体は持ち直したが、1年でクルマが最も多く売られる時期だから当然だ。販売ランキングの順位は、一貫して下がり続けている。
ちなみに1月のアクアは、小型/普通車ではルーミーの次に多く売られていたが、2月はライズを下まわった。3月はアルファードよりも少ない。さらに4月は、パッソやプリウスにも抜かれた。
特に4月の2693台は少ない。同じ2022年4月のヤリスハイブリッドは3070台だから、アクアが下まわった。なぜアクアの売れ行きは、2022年に入って急落したのか。その背景には複数の理由がある。
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