2021年6月15日に日産ノートオーラが発表されてから、早1年経過した。
ノートオーラは、日産ノートe-POWERの上級モデルかつプレミアムコンパクトカーとして誕生。ベース車のノートよりも、上質感のあるデザインかつ標準装備が充実しており、リーズナブルに感じる価格となっている。
また、ノートシリーズとしては、2021年の日本カー・オブ・ザ・イヤー大賞を受賞。しかし、競争力の高いライバルが多いコンパクトカー市場で、発表から1年経った今なお魅力的な選択肢といえるだろうか?
そこで本稿では、発表されてから早1年経過した日産ノートオーラの魅力を再検証する。さらに販売状況から、購入時に気をつけておきたい点や、ライバル車について解説。
文/渡辺陽一郎、写真/奥隅圭之
【画像ギャラリー】上質な質感で人気を集めるノートオーラとベース車のノートを写真で比較!!(23枚)画像ギャラリー上級モデル「ノートオーラ」の販売状況は好調!! 上質な質感を実現
日産の小型/普通車で最も多く売られている車種は、コンパクトカーのノートだ。ハイブリッドのe-POWER専用車だから、価格は200万円以上だが、売れ行きは好調に推移している。そしてノートは5ナンバーサイズのノートと、上級に位置する3ナンバー車のノートオーラに分類される。
2022年1~4月の販売データでは、ノートオーラはノート全体の36%を占めた。新型コロナウイルスの影響で減産を強いられながら、ノートオーラだけで、1カ月平均の登録台数は約3900台に達した。この販売実績は、シエンタやプリウスと同程度で、フィットに迫る台数だ。日本車のなかでは中堅水準に位置する。
ノートオーラは、ノートの上級車種だから、需要をノートに奪われやすい。一般的には、売れ行きをあまり伸ばせない派生モデルだが、ノートオーラは堅調だ。その理由を探っていきたい。
ノートオーラの特徴は、もともとベース車のノートが備えていた魅力を、さらに引き立たせたことだ。しかも質感、機能、装備の割に、価格が安い。
現行ノートは、2020年にハイブリッド専用のコンパクトカーとして投入されたから、価格が高まる代わりに内外装の質も向上させた。開発者は「もし現行ノートが、先代型と同じく価格の安いノーマルエンジン車を用意したら、質感をここまで高められなかった」と振り返る。
ノートオーラは、このノートの上質感をさらに引き上げた。フロントマスクはノート以上に緻密にデザインされ、ボディを3ナンバーサイズに拡幅することで、外装のボリューム感も増している。
インパネ周辺の造りもていねいで、インパネの上面には、布も貼った。シート生地もツイード調織物と合成皮革で、座り心地は柔軟だ。見栄えも良い。
エンジンやモーターは基本的にノートと共通だが、ノートオーラは動力性能を高めた。e-POWERでは、エンジンは発電を行い、駆動はモーターが担当する。ノートのモーターは、最高出力が116馬力、最大トルクは28.6kg-mだが、ノーオーラは136馬力・30.6kg-mに向上している。
この効果により、巡航中にアクセルペダルを踏み増したときの加速感は、ノートよりも力強い。フル加速してモーターの回転数が高まったときも、ノート以上に速度を滑らかに上昇させる。性能を大幅に高めたわけではないが、実用域の駆動力や加速感が洗練され、ノートオーラに相応しい上質な走りを身に付けた。
ノートオーラは、ノートに比べて全幅を40mm広げたから、トレッド(左右のホイールの間隔)も20mm拡大している。走行安定性や操舵に対する車両の反応も正確になった。
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