「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ファン歓喜!? かつて心躍った名車デロリアンが新たな姿を明かす!!

■強すぎた存在感、登場が早すぎたデロリアンという存在

 今回、「アルファ5」を発売するデロリアン・モーター・カンパニー(DMC)については、

各種報道では新生デロリアンという表記を使う。

 なぜならば、バック・トゥ・ザ・フューチャーで世界的に認知されたDMC-12を生み出したデロリアンとの違いを明確にするためだ。

かつてファンを熱狂させたデロリアン(DMC-12)。特徴的なステンレスの外装にガルウィング、RRに搭載するエンジンは2849ccのV6、130馬力だ。人気の高さもあり、現在でも修復部品がほぼ完全に揃う
かつてファンを熱狂させたデロリアン(DMC-12)。特徴的なステンレスの外装にガルウィング、RRに搭載するエンジンは2849ccのV6、130馬力だ。人気の高さもあり、現在でも修復部品がほぼ完全に揃う

 改めて、そもそものデロリアン・モーター・カンパニー(DMC)について紹介すると、創業者のジョン・デロリアン氏はゼネラルモーターズ(GM)の上級職から独立して1975年にDMCを自動車産業の中枢でありGM本社もある米ミシガン州デトロイトに構えた。

 今で言うところのベンチャー企業であり、各国政府との関連や投資家などと巧妙な関係を築いた。製造拠点については、英国政府との関係から北アイルランドに建設している。

 しかし、部品調達の遅れや財務的な課題などにより、製造計画が大幅に遅れ、事業の損益分岐点を超えるだけの生産数を確保できず、生産は1981年から1982年に約9000台に留まり、デロリアン・モーター・カンパニーは倒産してしまう。

 1970年代から1980年代のアメ車や欧州車といえば、アメリカの排気ガス規制であるマスキー法の施行や、オイルショックによるガソリン価格の高騰などにより、欧州車は搭載するエンジン排気量の縮小化やボディサイズの小型化が加速した時代だ。

 またクルマのデザインでは、デジタル化の走りのような、幾何学的なイメージのコンセプトモデルなどが増えた印象がある。そうした時代の流れの中で、デロリアンのDMC-12が特殊な上級車という位置付けだった。

 イタリアンスーパーカーでもなく、アメリカンマッスルカーでもなく、フェアレディZのようなジャパニーズスポーツカーとも違う。DMC-12は独特な存在感が強すぎた。いわば、”生まれてくるのが少し早かった”クルマだったといえるだろう。

DMC-12を彷彿とさせるガルウィングを採用したアルファ5。この姿に心が熱くなる読者は多いだろう
DMC-12を彷彿とさせるガルウィングを採用したアルファ5。この姿に心が熱くなる読者は多いだろう

 ところが、日本でも大人気となった映画「バック・ツゥ・ザ・フューチャー」でDMC-12をモチーフとしたタイムマシンが登場したことで、世界的にデロリアン・モーター・カンパニーの認知度が上がった。

 実際、筆者は1985年にカリフォルニア州内でロードショー公開されていた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を映画館で観て、映画のストーリーの面白さに加えて、DMC-12の存在を強い意識した。

 タイムマシンという設定に、DMC-12の量産車のイメージが見事にマッチしていると感じたのだ。アメリカ人の多くが、筆者と同じようにDMC-12を再認識するようになり、1985年当時でもDMC-12の中古車価格が上昇した。

 しかし、デロリアン・モーター・カンパニー創業者のジョン・デロリアン氏が波乱万丈の人生を終えるように、デロリアン・モーター・カンパニーもその歴史がつかみにくい状況に陥っていく。

 一時期、米テキサス州内でデロリアン・モーター・カンパニーの版権を買取り、DMC-12のリビルトなどを行う企業があり、その現場を取材したことがある。その後、デロリアン・モーター・カンパニーの経営に関する状態が、いつどのように変化していったのが、ネット上の各種データを見る限り定かではない部分がある。

 いずれにしても、本家デロリアン・モーター・カンパニーの流れを汲む、新たなる組織体制での、いわゆる新生デロリアンによって、DMC-12と同じイタルデザインが手がけた

ガルウイング形状ボディデザインの量産車として、アルファ5が登場することになる。

 アルファ5と新生デロリアン・モーター・カンパニーの実態については、来る8月のコンクール・デレガンスの場で明らかになることだろう。

【画像ギャラリー】あの感動がよみがえる!?? デロリアン次世代EV「アルファ5」をチェック!!(15枚)画像ギャラリー

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