■オイル交換を怠るとどうなる?
では、交換時期、距離を過ぎるとどうなるのか?
メーカーの推奨値にはある程度の余裕が持たされており、推奨値以降、劣化の進行状況に応じた様々な徴候は現れるものの、推奨値に達したからといって直ちに問題が起こるということではない。問題となるのは、その時点からどれくらい経過したかだ。
例えば、ノーメンテで2年間そのままだったとしたら、エンジン内部は堆積したスラッジでま茶色に変色。動きが渋くなるなど正常に機能できなくなっている部位がでてきている可能性が考えられる。
また、エンジンを正常に回し続けるための必要最低限のオイル量、それがレベルゲージの下限で、このラインを下回ると油面が変動したときにオイルポンプで吸い上げられなくなるなど、オイル循環に支障がでる。
つまり、エンジンが焼き付く可能性があるわけで、もしもメーターインジケーターのオイルランプが点灯したら要注意!
国産車では漏れていない限り極端に減ることはないが、推奨交換サイクルを過ぎた状態で走り続け場合、その限りではない。オイル量に関しては定期的にチェックすることが重要なポイントとなる。
とにかく、オイル交換サイクルが伸びたからといって、イコール「点検しなくて良い」ではないということを肝に命じておきたい。
それでは、エンジンオイルを交換しないと、具体的にどのような症状が出るのか?
エンジンオイルの劣化によって潤滑性能が低下するとエンジン内部の各摺動面の摩擦が大きくなり、異常磨耗が発生。エンジンの回りが重くなって加速や燃費の悪化を招く。オーバーヒートしやすくもなり、最悪のケースではエンジンが焼き付くことも。
また、エンジンオイルに取り込める汚れには物理的な限界があり、それを超えた汚れはエンジン内部に堆積していくことになる。オイル交換には、そんな「取り込んだ汚れを排出する」という目的もあり、交換を怠るとエンジン内部には確実に汚れが堆積する。
特に注意したいのが「ほとんど交換せずに、減ったら補給するだけ」という使い方。注ぎ足して乗っていると、排出されずに堆積したスラッジの揮発油分が抜けて真っ黒な粘土状になって堆積。
コールタールを盛り付けたがごとく盛り上がってくる。事実、過去に粘土状のスラッジでカムシャフトが埋もれていたという事例に遭遇している。
オイルパンのストレーナー周囲に山のように堆積したスラッジで、オイルが吸い上げられなくなったという事例も。いずれも、エンジン焼き付きの原因となるのでくれぐれも注意したい。
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