所々にあるピアノブラック素材が惜しい
新型RXのインテリアで、筆者がもっとも気に入ったのが、ドアやインパネ周りに使われている素材の質感だ。ドア内張りや前席シートのショルダー部分に張られた本革素材の模様や、ダッシュボードからセンターコンソール部分に使われているブラックアッシュウッドのパネルは素晴らしいつくりで、非常にかっこいい。新型NXのさらに上に位置する上級SUVとして見事な仕上がりのインテリアだと感じた。
それだけに、所々で使われているピアノブラック素材が、かえって目に付いてしまう。ナビゲーションモニターを覆うベゼル、エアコン吹き出し口付近、ステアリングホイールの右側後方のスイッチ、後席から見えるセンターコンソール後端部分など、手垢と指紋が残る箇所だけに、ピアノブラックパネルは非常に惜しい。このあたりにも、センターコンソールと同様のブラックアッシュウッドで覆ってくれれば、新型RXへの期待値に届いていたかもしれない。
大画面のため、タッチパネル左端が操作しにくい
センターコンソール中央に配置されている、14インチのタッチ式大型センターディスプレイは圧巻のサイズだ。ナビゲーションとしてはもちろん、クルマのあらゆる情報をコントロールするパネルとして、しばしば活用することがあるだろうし、高さもちょうどよくて、視認性も抜群に高い。エアコンコントローラーとボリュームコントローラーが、ダイヤル式で残されている点もポイントが高い。
しかし、画面が左右に広がったことで、画面左側のタッチパネルスイッチが、運転席から非常に遠く、タッチするには、運転席から背中を浮かせないとならない。先代RXでは、一部のユーザーの間で「操作感に難あり」と不評だったリモートタッチだが、背中を浮かせずに操作ができるという点では優秀だった。ステアリングホイールスイッチで操作ができたり、メルセデスのようなジョグダイヤル式のスイッチにするなど、新型RXでも、何かしらのかたちで残して欲しかった、と感じた。
後席シートの座面がちょっと高い
もうひとつ、後席シートが、フロア面からシート座面までの高さが結構ある。小柄な方だと、足が浮いてしまうだろう。座面の高さがあるソファーに座っているような感覚だ。足が浮きがちになると、コーナーや凹凸のある路面で、身体の揺れを踏ん張ることができず、無意識に身体に力が入ってしまい疲れやすくなってしまう。
設計担当者へ聞いたところ、アメリカ人の平均体型に合わせている、とのことだったが、日本人にとっては大柄に感じる方が多いだろう。逆に、前席よりも視点は高くなるので、周囲の見晴らしは格段に良い。
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どれも「重箱の隅」といわれればそうなのだが、世界中で大ヒットしている、日本車を代表する高級SUVの新型とあって期待値が高かっただけに、「あっ…」と思ってしまった箇所を今回取り上げた。ただ、逆にいうと、このような重箱の隅しか指摘しようのない、素晴らしいモデルに仕上がっている、ということだ。
新型RXでは、新型のパワートレインとなるハイブリッドターボの走りにも気になることろだ。レクサスがオールバッテリーEV化するまであと6年、今作が、最後の内燃機関付きのRXとなるはず。ステアリングを握ることができるのを、楽しみにしている。
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