■カテゴライズ不明のクラウン、販売への影響は?
セダンというには全高が高い。1540mmの全高は、レクサスUXと同値だ。この数値だけを見ればSUVと言いたくもなるが、全長・全幅も20mm~40mm拡大し、高さだけが際立つわけではない。高級サルーンに必要な要素を集めて言ったら、この数値に行きついたといったところだろうか。
ヒップポイントは前席が634mm(+85mm)、後席で621mm(+70mm)と大幅に高くなる。それだけフロアは高くなり、かつ乗り降りがしやすい高さになっていると見ていい。
中高年のユーザーが、クラウンに苦労して乗り込む姿を多く見てきた筆者からすると、ユーザーへ目を向け、時代に合わせた進化をしたと、評価したいポイントだ。
営業マンは、「これまでクラウンは、新型でもクラウンはクラウンだとお客様の信用が厚く、概要説明だけでデザインも分からないまま予約を入れてくれる人が多くいました。
しかし、今回は違います。消滅の話やSUV化するなど、早い段階から錯綜した情報に、我々もですが、クラウンオーナーの方々も翻弄されたことでしょう。確定的な情報を待ってから、動き出したいという方が多くなっています。」と話していた。
歴代の姿から大きく変わったクラウン。全幅は歴代守り続けてきた1,800mmを越えた訳だが、1840mmはカムリと同値だ。輸入車セダンまで狙いに入れるクラウンオーナー層であれば、むしろ1840mmの方が好意的に受け止められる可能性もある。
クラウンの売り方に関しては、専売していたトヨタ店が一歩リードするのは間違いない。ただ、これまでのクラウンと違い、多角的に特徴を捉えることができ、他チャネルでもPRの仕方次第では、自社の管理ユーザーに十分響くクルマとなっているだろう。
それぞれのチャネル色を出しながら、販売につなげられそうな新型クラウンの存在。7月15日に、新たなクラウンの歴史がスタートする。
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