クルマとバイクを愛したキング・オブ・ロックンロールの偉大な軌跡!! 映画『エルヴィス』本日公開!!

■世界一有名な「エルヴィスのクルマ」

エルヴィスの邸宅「グレイスランド」の隣接地に設けられた博物館にはピンク・キャデラックをはじめとしたエルヴィスの愛車の数々が展示されている
エルヴィスの邸宅「グレイスランド」の隣接地に設けられた博物館にはピンク・キャデラックをはじめとしたエルヴィスの愛車の数々が展示されている

 そんなエルヴィス・プレスリーの逸話で知られているのが“ピンク・キャデラック”。その名前の通りピンク色の1955年式キャデラック・フリートウッドで、1955年にエルヴィスはこの車を大好きな母親にプレゼントしている。

 なぜピンクなのかと言えば、エルヴィスはピンクが大好きだったようで、デビュー当初、カントリーシンガーの前座を務めていたときからピンクのスーツを着ている。

 このセンスは彼が黒人の間で育ったことも手伝っていて、劇中には、まだティーンエイジャーの彼がショーウィンドウに飾られた派手なピンクのスーツを憧れいっぱいに眺めているシーンもある。

 後年、スパンコールやライトストーンを散りばめたド派手なジャンプスーツがトレードマークになったプレスリーだが、そういうセンスのオリジンがピンク・キャデラックなのである。

 本作でも、エルヴィスが大ブレイクし、メンフィスに購入した家、のちにグレイスランドと呼ばれる邸宅にピンク・キャデラックやゴールド・キャデラックを始めとしたさまざまな車やバイクが並んでいる。

 というのもエルヴィスは大の車&バイク好きで知られていて、ドイツでの兵役が終わり帰国するさい、1958年製BMW 507ロードスターを購入。その後すぐに売却し、2014年にボロボロになったその車がコレクターの納屋で発見され、見事にレストアされ大きな話題になっていた。

 また、彼が拳銃で穴を開けたキャデラック・エルドラドがネットオークションで高額で売られていたり、何かと車ファン的にはいまでも話題にのぼる人だったりするのだ。ハーレーダビッドソン等のコレクションも相当のものだったと言われている。

 本作を撮る際に製作側は、彼が所有していた車とバイクの長いリストを手に入れ、それをもとに集めたという。

 撮影はオーストラリアで行われたため、アメリカの左ハンドル(オーストラリアは英国と同じ右ハンドル)のビンテージカーを探すの大変だろうと思われていたのだが、意外なことにコレクターが大勢いて、彼らが喜んで撮影に協力してくれたそうだ。

 撮影がオーストラリアだったのは監督のラーマンの母国だからで、ほぼ全編をゴールドコーストのスタジオとバックロットで撮影している。入手した設計図を基に、グレイスランドの神殿のような邸宅を作り、広大な庭に集めた車をズラリと並べたのだ。

 ということは、そこに登場する車はすべてプレスリーが実際に所有していたものと同じということ。気になる方は是非ともチェックしてほしい。

●解説●

 1950年代のアメリカに突如、現れた新人シンガー、エルヴィス・プレスリー。女性のようにメイクを施し、女性のようなステージ衣装に身を包み、さらには激しく腰を振り、まるで黒人のように歌う彼に世間は驚愕する。

 若者たちは熱狂し、大人たちは眉をひそめるなかで、エルヴィスは新しい音楽“ロック”を体現するのだった。

 エルヴィスを演じるのはオースティン・バトラー。エルヴィスを売り出し、彼から莫大な金と自由を搾取したマネージャー、トム・パーカーには特殊メイクで別人のようになったトム・ハンクス。42歳でこの世を去ったエルヴィスの波乱に富んだ半生に肉薄した音楽伝記映画だ。

 エルヴィスはアメリカのサブカルチャーのアイコン的存在でもあるからなのだろう、多くの映画にさまざまなかたちで登場している。ジョン・ランディスのカルトなコメディ『眠れぬ夜のために』(1985)では主人公ミシェル・ファイファの兄がエルヴィスおたくという設定。

 部屋は彼のポスターとグッズだらけ、当人もエルヴィスと同じコスチュームを身に着け、車も彼にちなんだキャデラック、さらにその車のサイドボディには「The king Lives(キングは生きている)」の文字が!

 また『インデペンデンス・デイ』(1996)にはビルの屋上にあがったエルヴィス・ファンが宇宙船に向かって、「神様、エルヴィスを連れ戻して!」と大騒ぎ。

 そして、かのニコラス・ケイジもエルヴィス好きが嵩じて、彼のひとり娘のリサ・マリーと結婚してしまったほど。3カ月で離婚してしまったが。

 またケイジは、『ハネムーン・イン・ベガス』(1993)というコメディ映画では、エルヴィスのそっくりさん大会がラスベガスで開かれているという設定で、エルヴィスのようなステージ衣装に身を包んだリーゼントのおっさんたちが大量に出現。

 ケイジもそのコスチューム姿を披露してくれる。本作で流れる曲は、ブルース・スプリングスティーン、ジェフ・ベック等がカバーしたプレスリー・ナンバーというのも嬉しい。

 アメ車が似合うクリント・イーストウッドも『ピンク・キャデラック』(1989)という映画に出演しているが、ピンク色のキャデラックが登場するだけで、プレスリーとはあまり縁のない映画だった。

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『エルヴィス』
公開:2022年7月1日(金)ROADSHOW
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

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