あと8年で30車種!? ホンダのEV戦略はどうなる? ホンダeオーナーが本気で分析してみた

■ホンダ最初の新EV「e:NS1」はSUVタイプ

2022年4月に登場したe:NS1。広汽本田汽車有限公司が立ち上げたEVブランド「e:N」シリーズの第1弾となるクロスオーバーSUVだ
2022年4月に登場したe:NS1。広汽本田汽車有限公司が立ち上げたEVブランド「e:N」シリーズの第1弾となるクロスオーバーSUVだ

 その第1弾がヴェゼルと似たクロスオーバーSUVの「e:NS1」だ。これに続く第2弾の「e:NP1」の予約受け付けも始まっている。これらのEVは中国で販売するだけでなく海外にも輸出されるようだ。となれば、プラットフォームやモーターなどのメカニズムを共有する兄弟車を日本で発売する可能性も見えてくる。

 北米では大手自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)と組んでEVを発売する予定だ。

 ホンダとGMは2013年から燃料電池車や次世代エコカーの開発で協業しているが、その関係を一歩進め、さらに強固にした。GMが開発したグローバルEVプラットフォームをベースとし、これに独自のアルティウムバッテリーを搭載したEVを共同開発する。

 ホンダ向けは2車種あり、エクステリアとインテリアはホンダ専用デザインだ。もちろん、乗り味なども専用にセッティングされるだろう。この2車種のEVはGMの北米工場で生産され、2024年のイヤーモデル(23年夏)から北米とカナダで発売を開始する。

 それだけではない。記者会見の前の3月、異業種のソニーと事業提携を結び、ホンダとは違うブランドのEVを送り出すことも公言している。2022年中に合弁会社を設立し、2025年には新型EVを発売したい意向だ。

 ともに革新と挑戦を好む企業だが、得意とする技術領域は違う。そこで得意とする技術を持ち寄ってEVを作ろうと考えたのである。ホンダのクルマづくりにソニーのカメラやセンサー技術が生かせれば自動運転技術なども洗練されたものになるだろう。

 EVは裾野が広く、部品メーカーとしてもウマ味があるから異業種との協業もやりやすいはずだ。ホンダが打ち出した大胆な近未来のEV戦略、これから10年足らずの間に自動車の価値観は大きく変わるはずである。今後の展開に期待したい。

■ホンダeオーナーが期待する次世代のEV

コンパクトに見えるが、全幅は1759mmもある。最小回転半径は4.3m
コンパクトに見えるが、全幅は1759mmもある。最小回転半径は4.3m

 ホンダeオーナーとして、次に発売されるEVに期待したいのは、まず航続距離だ。EVは運転に慣れてくると航続距離が伸びてくるが、現在所有する上級モデルのホンダeアドバンスでは、安全に走れるのは200kmくらいだ。

 これはガソリン車から乗り換えてくるユーザーにとって物足りないし、実際ホンダeは高速道路や峠道での走りが楽しいだけに、もう少し走ってほしいところだ。実用性を考えると総電力量は50kWhはほしい。

 もちろん大容量のバッテリーは高価なので、今後登場するEVは短距離用と長距離用に2極化すると思うが、ホンダにはそれが選べるようなラインナップをそろえてほしい。

 ホンダeは全幅が1750mmあるが、室内のスペースはちょっと狭い。今後登場するEVは室内スペースが広くなり、バッテリーが大容量になるだろうが、その際に気になるのは車両重量だ。

 これまで登場した他メーカーの上級EVは2トンを超えるものも珍しくないが、これだけ重いと立体駐車場などで重量オーバーになり、駐車できないケースも出てくる。

 ホンダの技術で広さと航続距離を確保しつつ、車重を抑えたモデルの登場に期待したいところだ! 

【画像ギャラリー】ホンダ初の量産バッテリーEV、ホンダeと中国・広汽本田汽車有限公司が送り出す「e:N」EVシリーズ(10枚)画像ギャラリー

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