温暖化したといわれているが、雪国からは「記録的な大雪に見舞われ、大変だ!!」という情報が毎年のように届く。
突然の大雪で除雪が間に合わず、何万台もの自動車が立ち往生。多くの人が何時間も自動車のなかに閉じ込められたというニュースを見聞きした人は少なくないはずだ。
東京でも何年かに一度、雪が降り積もり、首都高速や一般道がパニックに陥ることがある。こういった状況になったときに気になるのがEVの冷寒性能だ。もし数十時間も雪のなかに閉じこまれる状況になったら……。そんなことを考えただけでも怖い。
そこで、ホンダeオーナーの筆者が、意を決してスタッドレスタイヤを購入し、極寒の雪国に行ってBEVは極寒でも大丈夫なのか走ってみた!
文/片岡英明
写真/片岡英明
■バッテリーは寒さに弱い
別名バッテリーEVと言われていることから分かるように、EVは駆動系はもちろん、暖房や冷房などの温度調整にも電力を使っている。バッテリーの弱点は温度変化に対する適応性に難があることだ。なかでも苦手なのが低温である。
デジタルカメラやスマートフォンで分かるように、氷点下の寒冷地だと電力を食ってしまい、消耗が激しい。EVは寒い時に電気式ヒーターで車内の温度を高めようとするから電費は大きく落ち込み、航続距離はぐっと短くなる。
寒いと平坦路でも電気の効率は落ちる。我が家のホンダeアドバンスは、エアコンを使うことが少ない秋の平均燃費は6.8km/kWhだった。
タイヤがスポーティカー用のミシュラン製パイロットスポーツ4だから、ラフな走りをすると電費はすぐに1割くらい落ち込んでしまう。
そして、今回、意を決して、スタッドレスタイヤに履き替えた。選んだのは、北海道のテストコースで試乗した時に印象がよかった横浜ゴムのアイスガード7だ。ホンダeは前後異サイズだから出費は大きいが、安全には変えられない。
タイヤの慣らしが済んで電費を計測したら、なんとサマータイヤと大差なかった。というより、関東周辺のドライブコースでは以前より電費と乗り心地が向上していたのである。
このスタッドレスタイヤのほうが転がり抵抗が小さいのだろう。エアコンをオフにしてシートヒーターで腰まわりを温めて走ると7km/kWh台に迫った。エアコンを稼働させると、電費は10〜15%ほど落ち込む。だから安心して走れるのは頑張って200km程度だ。雪国へのドライブなら150km以下での充電が安全圏となる。
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