クルマ変態も凍り付く!?  ルノーの超不人気変態モデル3選【記憶に残る珍名車の実像】

■「左ハンドルのMTのみ」で導入という英断に感服! 『ルノー ウインド』

2011年から2013年まで日本で販売されたコンパクトなクーペロードスター「ウインド」
2011年から2013年まで日本で販売されたコンパクトなクーペロードスター「ウインド」

 ウインドは、トゥインゴをベースに作られた2シーターオープンである。こう書くと「まぁオシャレ!」という感じになるが、ヤリスをベースに作られた2シーターオープンがあったらどう感じるだろう? 「まぁ変態!」となるのではないだろうか。

 オープン機構は極めてシンプルだ。リーフがリアピラーを支点にくるっと回転して、開いたトランクにスポッと収納される。

 ただ、フロントウィンドウが覆いかぶさるように伸びている上に、ウエストラインが高く、しかもオープンにしてもリアピラー(?)とリアウィンドウが残るので、開放感は低かった。正直、頭の真上が開くだけという感じで、天気のいい日はただ暑いだけだったりする。そのぶん冬のオープンは露天風呂気分で快適なのだろう(想像)。

 ウインドは、左ハンドルの5速MTだけが導入された。需要の小さい変態モデルゆえ、右ハンドル仕様は生産されなかったのだ。こんな変態的なマニアック車を、左ハンMTのまま日本で売ってくれたルノー・ジャポンには感謝しかない。

 感謝しかないが、正直、あまり楽しいクルマには感じなかった。見た目は到底カッコいいとは言えないユニークさだったし、走りも、なぜかトゥインゴRSのほうが全然よかったので……。メカ的には同じはずなのに不思議だが、走っていると、ただただキワモノ気分に満たされた。周囲の視線も「へんなのが走ってるなぁ」という感じで、羨望の視線はありませんでした。

■オープンエアを満喫できるカングーって? 『ルノー カングー ビボップ』

2代目カングーをベースに開閉式グラスルーフを備えたカングー ビボップは2010年に日本で販売された
2代目カングーをベースに開閉式グラスルーフを備えたカングー ビボップは2010年に日本で販売された

 ルノーはなぜ、こんなに変態モデルが好きなのだろう。これも正直、私にはまったく理解不能だった。私はこれでもかなりのクルマ変態ですが、変態をして「変態すぎて理解不能!」と言わしめるのだから、尊敬するしかない。

「ルノー カングー ビボップ」。それは第2世代「カングー」の3ドア・ショートホイールベースバージョンだ。定員は4名。後席は2座独立型となっている。

 ビボップのハイライトは、この後席にある。スライディングルーフとワンタッチ開閉テールゲートグラスによって、後席のみ、オープンカーさながらの開放感を得られるのだ!(またかよ……)

 実際にオープン状態の後席に座ってみましたが、それはなんとも微妙だった。確かに開放感はあるが、開くのは頭の上から後ろだけなので、「後頭部がスースーするなぁ」にとどまった。後ろ向きに座れればよかったんだが。

 しかも、乗り心地がキツイ。さすがショートホイールベースだけあって、後輪からの突き上げがモロに来る。遊園地のアトラクション気分と言えば聞こえはいいが、快適とは言い難く、オープンカー的な優越感とも無縁。そこにあるのは、凄まじいばかりのキワモノ感だった! クルマ変態をして、「これ、誰が買うんだろう」とつぶやくしかなかったのである。

 ああ、すばらしきかなルノーの変態軍団よ!

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