本誌『ベストカー』にて、毎号技術系の最新情報や気になる話題をお届けしている「近未来新聞」。
次世代高速道路の未来像、今回は改正道交法が可決され扱いが変わる電動キックボード、ルノーがEV部門を分社化、その狙いは? などの話題をお届け!
※本稿は2022年5月のものです
文/角田伸幸、写真/ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=tsubasa-mfg@AdobeStock)ほか
初出:『ベストカー』2022年6月26日号『近未来新聞』より
■車線ごとの別料金も! 高速道路の未来像発表
情報通信や自動運転技術の発展は、クルマばかりか道路にも変革を促す。
そんななか、東日本高速道路(NEXCO東日本)が「次世代高速道路の目指す姿(構想)」というレポートを発表した。未来の高速道路がイメージできるので、概要を紹介しよう。
まずは料金関連。時間帯や季節需要に応じて通行料を変動させる「ダイナミックプライシング」に加えて、車線ごとに規制速度を決めて速度の高い追い越し車線を割高にし、車線利用率の平準化を図る策を検討するという。自動運転車両については普及を狙い、料金の割引も実施するようだ。
その自動運転車両だが、運転の精度が高まるため、制限速度を時速120km以上に引き上げるらしい。専用レーンは車線を狭くし、代わりに車線数を増やして交通容量を増やす作戦のようだ。もちろん自動運転を支援するマーカーの埋め込みや基準点の設置なども実施する。
電動化についてはどうか。まず給電設備の維持管理基準を運用しやすいものに改め、停車中や走行中のワイヤレス給電についても研究を進めるようだ。普及が望まれる水素ステーションもSA・PAに設置していくという。
ここで紹介したのは一部だが、ネットで全文が読める。道路の未来を知りたい人には一読をオススメする!
■噂の電動キックボード 買うのはもう少し待て
改正道交法が可決されて、あとは施行を待つだけとなった電動キックボードの新ルール(電動キックボードに関する規定の施行目処は2年以内)。
免許なしで乗れるとあって「一足先に買っちゃおうかな」と考える人がいるかもしれないが、それは待ったほうがいい。現在売られている電動キックボードは、新しいルールに適合しないためだ。
表1を見てほしい。これは道交法の改正前後で電動キックボードの扱いがどう変わるかをまとめたものだが、重要なのが一番下にある「識別点滅灯火」というやつだ。
こいつは電動キックボードの走行スピードを、前後に付けた灯火類の色で判別しようというもの。車道を走る「小型低速モード(時速20km以下)」の時は水色、「歩道走行車モード(時速6km以下)」では緑色に点滅させ、違反をひと目でわかるようにしようという狙いだ。
ご承知のとおり、この仕組みは現在市販されている電動キックボードには装着されておらず、後付けも認められない。
国土交通省はこの識別点滅灯火を、ブレーキやバッテリー性能などと併せて型式認定の対象とする予定だから、認定を受けた製品を買わないと、新ルールの恩恵にあずかれないというわけだ。
型式認定の運用だが、筆者は来年後半には始まると予想する。制度の主旨を理解して、安全な船出を祈りたい。
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