コロナ禍でも合宿免許に人気集中? 教習所に聞いた「実情」と数字で読み解く意外な「事実」

8月予約終了!? コロナ禍&少子化の影響はなし? 数字で読み解く合宿免許の実情

 短期間で運転免許の取得ができる合宿免許は、今も隆盛なのでしょうか。

 今回は、合宿免許がコロナ禍や少子高齢化の影響を受けているのか、運転免許取得人数や指定自動車教習所の卒業者数、実際に合宿免許を実施している教習所へのインタビューなどを交えて深堀します。

文/齊藤優太
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合宿免許とは?

約2週間という短い期間で免許を取得できる合宿免許。費用面でも、近くの教習所に通って免許を取得した場合と比べて抑えることができる(あんみつ姫 – stock.adobe.com)

 そもそも合宿免許とは、一定期間教習所付近の宿泊施設などに泊まり込み、運転免許を取得することです。

 メリットとしては、短期間で運転免許を取得できることが挙げられます。一般的に、普通自動車AT限定免許なら最短で14日前後、普通自動車MT免許(限定なしの普通免許)なら最短16日前後で教習所を卒業することが可能です。そのほかにも、教習料金・宿泊施設の利用料金・食事代込みのプランが用意されていたり、自分でスケジュールを組む必要がなかったりするのも合宿免許のメリットとして挙げられるでしょう。

 いっぽう、一定期間宿泊施設に泊まり込みとなるため、プライベートの予定を入れられなかったり、学校・部活や仕事などと両立することができなかったりする点がデメリットとなります。そのため、合宿免許は、春休み・夏休み・冬休みなど、長期休暇を取得できる方に適している免許取得方法といえるでしょう。

●合宿免許の一般的な流れ

一般的な合宿免許の流れは、次のようになります。

1.教習所への入校
2.適性検査を受けて先行学科の受講
3.第1段階の教習
4.修了検定・仮免学科試験
5.第2段階の教習
6.卒業検定(技能試験のみ)
7.教習所卒業後に免許センターで本免学科試験

 細かな説明は省いているものの、一般的には上記のような流れで免許を取得します。つまり、合宿で運転免許を取得する場合も、教習所に通って免許を取得する場合も、基本的な流れは同じです。

 教習所に通う場合、数カ月の時間を要したり、予約が取れなかったりすることがあります。いっぽう、合宿免許は、あらかじめ入校から卒業までのスケジュールが組まれているため、短い期間で運転免許取得ができるのです。

合宿免許の多くは「指定自動車教習所」という教習所にあたる

 合宿免許は、卒業検定を受けて合格するところまでスケジュールが組まれています。つまり、指定自動車教習所ということです。

 指定自動車教習所とは、「物的基準」・「人的基準」・「運営基準」に適合し、公安委員会から指定を受けた教習所となります。簡単にいってしまえば、法律の基準を満たし、公安委員会からお墨付きをもらった教習所ということです。

 この指定自動車教習所でなければ、運転の試験である技能検定の実施や卒業証明書の発行ができません。卒業証明書があれば、免許センターで技能試験が免除になります。そのため、合宿免許の多くが指定自動車教習所となるのです。

●指定自動車教習所卒業人数の推移

 指定自動車教習所の卒業者数は、「警察庁交通局運転免許課 運転免許統計(令和3年版)」によると、次のとおりです。

■平成24年:158万9098人(うち普通免許:116万9042人)
■平成25年:161万1940人(うち普通免許:117万5755人)
■平成26年:159万5971人(うち普通免許:116万8133人)
■平成27年:157万1071人(うち普通免許:115万7617人)
■平成28年:156万1361人(うち普通免許:115万8327人)
■平成29年:154万8464人(うち普通免許:114万9297人)
■平成30年:152万9334人(うち普通免許:110万3019人)
■令和元年:154万5262人(うち普通免許:109万8480人)
■令和2年:160万2206人(うち普通免許:109万9725人)
■令和3年:172万3923人(うち普通免許:117万5400人)

 指定自動車教習所の卒業者数だけを見ていくと、ほぼ横ばいから徐々に増加する傾向にあります。しかし、普通免許の卒業者数は徐々に減少し、令和3年に再び115万人以上の人が卒業したという結果でした。

 つまり、コロナ禍が始まった令和2年(2020年)以降、運転免許を取得しようとする人が増えたと考えられます。また、少子高齢化の影響が全くないとは断言できませんが、これまで運転免許の取得に関心がなかった人が、免許を取得しようとする動きがあるのは確かだといえるでしょう。

 免許取得の人数が増えている一方、指定自動車教習所の数は、年々減少傾向です。平成24年から令和3年までの指定自動車教習所数は次のとおりとなっています。

■平成24年:1358校
■平成25年:1351校
■平成26年:1347校
■平成27年:1339校
■平成28年:1332校
■平成29年:1330校
■平成30年:1321校
■令和元年:1314校
■令和2年:1306校
■令和3年:1300校

 直近10年で約60校の指定自動車教習所がなくなっています。1年間に約6校の指定自動車教習所が閉校していると考えると、少子高齢化の影響やコロナ禍の影響などが少なからずあるといえるでしょう。

合宿免許を実施している教習所に話を聞いてみた

 合宿免許を実施している教習所に、予約状況や新型コロナウイルスの影響があったのか聞いてみました。

 最初に話を聞いた教習所では、「7月はじめ時点の話になりますが、すでに8月の予約が埋まっていて、早くても9月の入校となります。新型コロナウイルスの感染対策としては、検温や消毒、マスク着用での教習をしています」との回答。

 次に聞いた教習所では「7月上旬時点で、早くても9月末の入校になります。あくまでも現時点での予約状況ですので、今後変動する可能性があります。新型コロナウイルスの感染対策は、検温や消毒、マスクの着用をしています」との回答でした。

 どの教習所も夏休み真っただ中である8月の予約は埋まっているようです。

 また、新型コロナウイルスの影響により、予約の枠などを縮小しているか聞いてみたところ、「現在のところ予約の枠を縮小しているということはありません」とのことでした(あくまでも合宿免許を実施している数校に聞いた話であるため、教習所によって予約枠の状況が異なる場合があります)。

まとめ:今でも合宿免許は早い段階で予約が埋まる

 合宿免許は、短期集中で運転免許が取得できるため、現在でもすぐに予約が埋まることがわかりました。

 しかし、コロナ禍や少子高齢化など、さまざまな影響により、指定自動車教習所数が減少しているのは事実です。今後も、短期間で運転免許が取得できる合宿免許は、なくならないと推測されます。ただし、合宿免許を実施する教習所の数が減る可能性があるといえるでしょう。

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