三菱 ギャラン/1969-2015年
三菱のギャランも多くの人に愛された個性派のファミリーカーだった。誕生は1970年代を間近に控えた69年12月で、ウエッジシェイプのキレのよいデザインがダサい三菱のイメージを変えた。
エンジンも軽快な吹き上がりの1.3Lと1.5Lの直列4気筒SOHCだ。その後、1.6Lモデルを追加し、ラリーなどのモータースポーツでも活躍した。また、2ドアのハードトップやスペシャルティカーのGTOを仲間に加え、瞬く間に三菱の代表モデルにのし上がった。
ギャランは売れ続け、1987年秋に登場したギャランは2LのDOHCターボに4WS、4WDを組み合わせた「VR-4」がセンセーションを巻き起こした。
この卓越したメカニズムは、後のランサーエボリューションの母体となり、モータースポーツでも大暴れ。が、三菱の不祥事が続き、高性能イメージは薄れてしまった。
2007年にはランエボとプラットフォームを共用し、車名もギャランフォルティスに。スポーティ度の高いミドルクラスのセダンだったが、人気回復には至らず、2015年に生産を打ち切った。
現役の国産“最長寿”車は?
時代の流れの変化を感じ取れなかったり、メーカーの不祥事に翻弄され、自動車史から消えていった名車は意外にも多い。名門ブランドの名声や伝統にあぐらをかいていると足元をすくわれ、消滅の危機に瀕する。
それとは逆に、時代の変化を敏感に察し、対応、適合させたクルマも少なくない。トヨタのランドクルーザーやクラウンは60年以上も第一線で活躍し、今も高い人気を誇っている。この2車はクロスカントリー4WDとセダンの最長寿モデルだ。
長寿と消滅の差は小さいのである。だが、生き延びるためには時代をよく見る鋭い洞察力と運が経営者とエンジニアに要求されるのだ。
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