海外で目撃例続出! ジムニー5ドア出せば売れる!! それは分かる!!! それでも出せない事情と解決への困難な道

約10年前より20%上昇 大人気SUV市場に変化あり!? 原点回帰か?

 最近はSUVが人気を高め、新車として売られる小型/普通乗用車の30%を占める。2010年頃は10%少々だったから、SUVの販売比率は急増した。

 それなのに今の売れ筋SUVは、ヤリスクロスからハリアーまで、前述のとおり前輪駆動ベースのシティ派だ。その結果、ユーザーが飽食気味になり、SUV市場では、悪路向けへの原点回帰が見られるようにった。

 50年以上前から存在する伝統的な車種が注目され、初代モデルを1970年に投入したジムニー、1954年(前身となるトヨタジープの発売は1951年)から設定されるランドクルーザーが人気を得ている。

 輸入車でも、2021年にはジープ・ラングラーの登録台数がメルセデスベンツAクラスを上まわり、フォルクスワーゲンポロと肩を並べた。ジープ・ラングラーが輸入車販売の上位に入るのは、今まで考えられなかったことだ。

 以上のようにSUVの販売比率が増えるに従って、ユーザーの好みも変わり、ジムニーシエラロングを望む声も根強くなってきた。

 このニーズに応えて、海外では、偽装を施したジムニーシエラロングのテストカーがキャッチされている。前述のとおりホイールベースと全長を拡大して、偽装の上からは、後席側のドアが装着されていることも分かる。

 ちなみに従来型ジムニーの海外仕様にも、ホイールベースと全長を拡大して室内空間を広げた仕様が用意されていた。過去の実績も踏まえると、ジムニーシエラロングが現行型で復活しても不思議はない。

納期問題解決が先か?? ジムニーシエラロングを予想してみた!

 ジムニーシエラロングの予想データは、全長が前述のとおり3850mm、ホイールベースは2550mm、全幅はシエラと同じ1645mm、全高も1730mmを踏襲する。全長はライズの3995mmよりも100mm以上短く、混雑した街中でも運転しやすい。エンジンは現行シエラと同じ直列4気筒1.5Lで、最高出力は102馬力(6000回転)、最大トルクは13.3kg-m(4000回転)になる。駆動方式は4WDのみだ。

 価格も予想したい。現行ジムニーシエラは、LEDヘッドランプやアルミホイールを標準装着した上級のJCが208万4500円(4速AT)だ。そうなるとジムニーシエラロングのJCは、20万円高い228万4500円といった価格になる。

 既存のコンパクトSUVの価格は、ライズに直列3気筒1Lターボを搭載する最上級の4WD・Zが229万9200円、ヤリスクロスに1.5Lノーマルエンジンを搭載する中級グレードの4WD・Gが225万1000円だ。

 220万円台が全長を4m前後に抑えたコンパクトSUVの激戦区だから、ジムニーシエラロングJCが悪路向けSUVのシャシーとサスペンション、同じく悪路向けとなる副変速機付き4WDを搭載して228万4500円なら、価格競争力は充分に高い。

 ただし解決すべき重要な課題がある。それは納期だ。最近は新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻の影響を受けて、日本車の納期は全般的に遅延しているが、ジムニーとジムニーシエラは2018年7月の登場直後から1年以上まで滞っていた。

 現行ジムニーは、発売直後の2018年後半に1カ月平均で約1900台が届け出され、ジムニーシエラの登録台数は約600台だった。それが2022年1~6月は、コロナ禍の影響を受けながら、ジムニーの1カ月平均は約3600台、ジムニーシエラは約1500台だ。ジムニーは発売直後の1.9倍、ジムニーシエラは2.5倍に増えた。ジムニーの届け出台数は、N-WGNと同程度だから、もはや個性派ではなく主力車種になる。

 このように発売直後に比べると、ジムニー、ジムニーシエラともに増産しているが、販売店に直近の納期を尋ねると以下のように返答された。

「ジムニーは今でも納期は約1年だ。ジムニーシエラは1年以上を要する。販売台数は以前に比べて増えたが、納期は縮まらない。嬉しい話だが、購入希望のお客様が続々と来店され、今でもお待たせする申し訳ない状態が続いている」。

 こうなると思い切って生産ラインを増やせば良いではないか、と思うが、メーカーにはリスクが伴う。生産規模を増やすと、需要が減ったときに、過剰な生産設備を持つことになるからだ。特に軽自動車は薄利多売の商品だから、生産ペースを落とせない。その結果、過剰な生産を行い、在庫車が溢れて中古車市場に卸すムダが生じることもある。

 仮に今の生産規模でジムニーシエラロングを導入すると、納期がさらに延びてしまう。ここは難しい決断を迫られるが、ジムニーシエラロングを設定すれば、1カ月平均で国内だけでも2500台は販売できる。これを見込んで生産設備を増やし、既存のジムニー、ジムニーシエラまで含めて納期を短縮する方法もある。

 スズキは今まで、アルト、ワゴンR、スペーシアなど、ユーザーの希望に寄り沿う商品を提供して高い支持を得てきた。今はジムニーがそこに当てはまる。初代モデルの発売から50年以上を経過して、いよいよジムニーの時代が訪れる。

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