■電子書籍に早変わり? 整備書の今!
コンピュータ制御が一般的で、故障診断なども端末を繋げばすぐに終わるというのは、最近のクルマの話。少し前までクルマの整備には「知識と経験」が不可欠であった。
わからないことがあれば、手垢で真っ黒、ボロボロになった整備書を読み込み、先輩に相談しながら整備を進めていく。筆者も苦悩する整備士の姿を数多く見ているし、ベテラン整備士の勘の良さや判断の早さには、驚かされることが多々あった。
昔はモデルごとに1冊の本になっていた整備書だが、現在ではほとんどが電子化されている。古いモデルのものまで、メーカーのデータベースに保管され、販売店ではデータベースの必要な個所にアクセスし、情報を得るのが常だ。
昔は書籍化されていたため、筆者のような営業マンも読むことができた整備書だが、今や整備書の中身を目にする営業マンはごく僅かだろう。昔ながらの整備書は販売店の改修工事などのタイミングで処分され、今も紙ベースで保管しているお店は数少ない。
■ディーラーも頼りになるぞ! 専門業者だけではない旧車への対応
ディーラーでは、新車の販売と比較的新しめのクルマの修理や整備だけが行われていると思っている人もいるかもしれないが、旧車の取り扱いに長けたディーラーも多くある。
高い人気を誇る車種に関しては、メーカー側も一定の歩み寄りを見せており、パーツの再生産やレストアへの取り組みも増えてきた。日産のNISMOヘリテージ、マツダのCLASSIC MAZDA、トヨタのGRヘリテージパーツなど、旧車の部品を復刻する動きが盛んになってきているのだ。
筆者の勤めていたディーラーでは、FJ28VA型のランドクルーザーや1955年式の初代クラウンなどのレストアを行っていた。整備工場にはトヨタスポーツ800が入庫しているのを見ていたし、ユーザーが「直して乗りたい」という意思を伝えれば、その思いに出来るだけ応えていたように感じる。
中古やリビルト品等を集め、クルマを直すことに熱い気持ちを注ぎ続ける整備士は、ディーラーにも数多くいるものだ。
ショールームに、あえて往年の名車を綺麗な状態で飾っている販売店は、修理やレストアに対して親身に相談に乗ってくれる傾向が強いだろう。
純正部品は10年という期間が一つの節目だ。それ以上に長く乗ることを考えれば、足回りやマフラーといった、ガタが来やすい部品は、節目の時期に正規ディーラーで新品に交換しておくことを、おすすめしたい。
【画像ギャラリー】メーカーも動き始めている!! 各社が取り組む旧車パーツ復刻&レストアプロジェクト(14枚)画像ギャラリー
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