国交省が来年1月4日から始まる電子車検証の特設サイト開設! ユーザーにどんなメリットがあるのか?

国交省が来年1月4日から始まる電子車検証の特設サイト開設! ユーザーにどんなメリットがあるのか?

 国交省は2022(令和4)年5月に、自動車検査証(以下、車検証)のICタグ付加による「電子化」を、2023(令和5)年1月4日から開始することを発表した。軽自動車の車検証については2024(令和6)年1月から交付していくという。

 遡ると、2020(令和2)年5月20日、道路運送車両法の一部を改正する法律を公布。同年6月に検討会による報告書が公表され、同年12月に「電子車検証」の採用を発表していた。

 そして2022年8月19日、国交省は電子車検証の特設サイトを開設し、電子車検証についてわかりやすく解説するとともに、電子車検証の仕様や記録事項などを公開した。

 そこで、ここで改めて、電子車検証とはどんなものなのか? ユーザーにとって果たしてどのようなメリットがあるのか探ってみた。

文/岩尾信哉
写真/国交省、ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】国交省が公開した来年1月4日から始まる電子車検証を写真でチェック!(9枚)画像ギャラリー

■8月19日に開設した国交省の「電子車検証特設サイト」

国交省の電子車検証特設サイトより
国交省の電子車検証特設サイトより

 まずは国交省が8月19日に開設した、「電子車検証特設サイト」を紹介しよう。車検証の電子化は自動車ユーザーや自動車関係の業務を担う方々にとっては大きな変更点となることから、電子車検証についてイラスト等を交えながらわかりやすく解説することを目的としており、自動車ユーザー等が車検証の電子化に関する必要な情報を入手できるよう、電子車検証に関する情報や所要のアプリの入手方法等の情報を集約している。

 この特設サイトの主なコンテンツは以下の通り。
●電子車検証について
2023年(令和5年)1月より交付される電子車検証の仕様や記録事項等を掲載
●車検証閲覧サービスについて
電子車検証の IC タグ情報の閲覧・参照及び車検証情報を電子ファイルでダウンロードするためのアプリについての説明やダウンロード方法等を掲載
●記録等事務代行サービスについて
サービスについての説明やサービスの実施可能な事業者の一覧表等を掲載

https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/

■ICタグを導入した「電子車検証」

従来のA4サイズに対し、左下の電子車検証はA6(7インチサイズ)の縦105×横177.8mmの厚紙にICタグを添付したものになる
従来のA4サイズに対し、左下の電子車検証はA6(7インチサイズ)の縦105×横177.8mmの厚紙にICタグを添付したものになる
左側が表面、右が裏面。2023年1月4日より自動車検査証を電子化し、必要最小限の記載事項を除き自動車検査証情報はICタグに記録。ICタグの情報は汎用のカードリーダーが接続されたPCや読み取り機能付きスマートフォンで参照可能
左側が表面、右が裏面。2023年1月4日より自動車検査証を電子化し、必要最小限の記載事項を除き自動車検査証情報はICタグに記録。ICタグの情報は汎用のカードリーダーが接続されたPCや読み取り機能付きスマートフォンで参照可能

 さて、2023年1月4日から始まる「電子化車検証」の仕様を見ていこう。念のため断っておくが、2023年1月4日以降に新規登録や継続検査など、従来であれば紙の車検証が新しく発行される手続きを行った車両について電子車検証が発行される。なお、電子車検証になったからといって車内に携帯しなくてよくなったわけではなく、これまで通り、車両運行時には携帯しなければいけない。

 8月19日に公開された「電子車検証」の写真を見ていただきたい。これまでのA4サイズの車検証と比べるとA6サイズになり、とてもコンパクトなことがわかる。

 台紙の寸法は文庫本サイズのA6(7インチサイズ)の縦105×横177.8mm。紙の厚さは150μmと従来から厚めに変更され、これに通信規格:ISO/IEC14443 TypeAのICタグが備わる。

 車検証の右側に添付される ICタグは、情報を記録するICチップと無線通信用アンテナを組み合わせた小型のものとなる。一般的に管理する対象物などに取り付けて、無線による自動認識機能を用いて対象物を電子的に識別・管理するために使用される、

 今回「電子車検証」に採用されたICタグは、紙製の台紙にICチップを貼り付けるように仕立てられたラベル型。商品パッケージなどに利用され、商品・物流管理に適している。

 いっぽう、我々が日常よく目にするクレジットカードなどに見られるカード型では、ICチップをプラスチック製台紙にはめ込むための成形工程が必要なので、コストがかかるというのは容易に想像できる。

 国交省が「電子車検証」の仕様を検討していた際には、「ICカード」という表現が使われていたこともあって、一気に持ち運びが容易になることが想像された。

 結果的には、車検証を日常的に持ち歩く必要性がなく、車検証の携帯義務(道路運送車両法第66条第1項)を考えれば(不携帯の場合50万円以下の罰金が課せられる)、基本的に車載していくことになるのだから、サイズも含めて「ICカード化」に固執しなかったということだろう。

 「電子車検証」の大きさについては、現行の車検証は日本では一般的なノートやコピー用紙のサイズであるA4サイズなので、電子車検証は前述のように現行の車検証と比較すると4分の1よりも少し大きい程度のサイズになる。

次ページは : ■電子車検証の見た目で確認できる項目

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