■カーボン成形技術で躍動する性能とデザイン
まるで小さなサーフボードのような形をしたデッキ部分には、フヂイエンヂニアリングが得意とするカーボン成形の技術を投入。多くの人のイメージする、キックボードと比べると、比較的大型で重量感を感じるかもしれない。
一方で、乗車時は両足をしっかり乗せることができ、スピードが出てきた時には、安定感と走る面白さを体験できる。また体重移動によりデッキを傾けて方向転換をする仕様により、ユニークな乗り心地もSunameriの特徴だ。
電動キックボード初体験だった筆者が実際に乗ってみると、曲がるのには少し訓練が必要そうだが、ブレーキの操作は自転車と同じで、ごく自然なブレーキコントロールができた。ブレーキには、前後ともディスクブレーキを採用している。
また、ハンドルに取り付けられたメーターでは、走行距離やスピードを確認できた。駅前に出かける時などちょっとした近所に出かけるのはもちろん、ワンタッチで折り畳みができるので、トランクに積んでドライブ先で使うなどといった使い方もできるのではないだろか。
そんなフヂイエンヂニアリングでは、この夏新たに電動パーソナルモビリティ「PUFFIN」(パフィン)を発表しクラウドファンディングを行なった。
「Sunameri」は、藤井さんがエンジニアとして好き放題の思いを詰め込んだ一方で、「PUFFIN」は企画段階から女性が欲しくなるような1台にしたいという意図があるそうだ。
明るいカラーリングと丸みを帯びた特徴的なデザインは、定番化したキックボードの形にはないユニークな仕上がりとなっている。こちらも普通免許でナンバーを付けての公道走行が可能。ミニカーとしての青色ナンバー登録が必要だ。
■今後、キックボードは日本で普及するのか?
電動キックボードシェアリングサービスをスタートした企業、「LUUP」の影響もあり、都内では電動キックボードを見かけることも増えてきた。
ここまで、実証実験と法改正、そしてサービスの誕生によって、電動キックボードの利用者が増えて身近になる一方で、藤井さんは今後の課題や問題点をこう指摘している。
「海外の都市部では、規制を強める都市もあります。利便性が高い一方で、日本の道路事情においては、ひとり乗りのモビリティに対して厳しい環境があるので、現時点で海外のように爆発的な普及は難しいのではないかという予想です。
ただ今後、専用道路の整備やパーソナルモビリティに対しての優しい環境作りに、国が舵を切った場合は変わってくるとは思います。サービス提供者側だけの頑張りだけでなく、乗る人の安全教育なども環境の整備と同時に拡充していくことが必要です」。
課題が指摘される一方で、自転車とバイクの間のちょうどいい乗り物でもあり非常に便利な移動手段には違いない。数年後には私たちが街中で見かける機会も多くなるかもしれない、キックボードをはじめとしたパーソナルモビリティの秘めた可能性には、まだまだ発展が期待できそうだ。
【画像ギャラリー】令和のマーティーはコレに乗る!? スケートボードの電動化から誕生したフヂイエンヂニアリングの電動キックボード(11枚)画像ギャラリー
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