目まぐるしいほど様々なことが起こった2022年上半期。自動車業界においても、2022年上半期は「激動の半年」であったと言える。そこで今回は「自動車メーカーのトピックスTOP5」と題し、ジャーナリストの井元康一郎氏が各トピックスを紹介!!
さらに後半では、2022年上半期に登場した新モデルの「最高出力」「航続距離」「最小回転半径」の各トップ10を公開! 各部門で第1位に輝く1台はどれだ!?
※本稿は2022年7月のものです
文/井元康一郎、ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年8月26日号
■自動車メーカーの注目トピックスTOP5
・1位:トヨタが「意志ある踊り場」として生産台数を抑える計画を策定
・2位:マツダが意地の超高効率ディーゼル放つ
・3位:日産・三菱連合が軽EVをついに投入
・4位:ホンダがソニーとEV開発で協業
・5位:日野が排出ガス不正で型式指定取り消し
●今後が不透明な納期問題
2022年上半期は日本の自動車業界にとって激動の半年だった。その最たるものは納期遅れだろう。
部品不足などが原因で、クルマを買いたいユーザーはたくさんいるのにクルマを作ることができず、半年待ちなど当たり前、年単位のウェイティングというのも珍しくなくなった。
国内生産の減少幅が特に大きいのは業界盟主のトヨタ自動車。豊田章男社長は「意志ある踊り場」という言葉を使い、安定生産のために4月から6月までは意図的に生産を絞る方針であることを同社の広報メディア「トヨタイムズ」で明かしている。
が、今後どれだけスムーズに生産ができるようになるかは不透明。特に今の為替状況では各社とも日本で売るより海外に輸出したほうが格段に利益が出る。トヨタとて例外ではない。当面は“様子見”の状況が続くだろう。
●着実に進められるEV化
劇的変化は世界情勢による生産の混乱だけではない。クルマのEV化圧力も急速に高まっている。
そんななかで注目を浴びたのは日産自動車、三菱自動車連合が6月にリリースした軽EV「サクラ/eKクロスEV」。
軽自動車はEV時代を生き残ることができないという観測も出ていたが、本気でかかれば充分に対応可能であることを製品で証明した。
今後のコストダウンの進展次第では補助金なしでも現在の軽自動車の少し高いバージョン並みの価格に落とし込めるのではという期待がいやがうえにも高まる。
EV化で大きな動きをもうひとつ。ホンダとソニーの提携である。クルマはこの先、移動すること以外の部分で付加価値を得ることができると踏んだソニーと、EV事業の拡大のために仲間が欲しいホンダの相思相愛でスタート。
もっとも市販車発売目標の2025年まであと3年。その短い期間で何がやれるかは未知数。今後の情報開示が待ち遠しい。
電動化の嵐のなか、マツダは内燃機関の性能向上もCO2削減に貢献できるとばかりに新開発3.3L直6ディーゼルを発表。重量1.8トンのSUVをリッター20kmで走らせる驚異の熱効率。ユーザーの反応が興味深い。
●残念なニュースも……
負の出来事も発覚した。日野自動車が長年、排出ガス審査をごまかしていたという事件である。日本の自動車業界全体の信用を落としかねない事案だけに猛省が求められるところだ。
なお、業界関係者の予想よりも早い7月に、問題となった大型トラックの生産を再開した。そして、国交省から取り消しを食らった型式指定の再指定を目指す。
(文:井元康一郎)
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