親切心が仇になる!? トラブルを招く4つの運転マナー

親切心パッシングにはメリットよりデメリットが多い

親切心が仇になる!? トラブルを招く4つの運転マナー
たとえ他車に行ったパッシングであっても、他のクルマが挑発されたと勘違いすることも考えられる。パッシングの使用は極力控えることが賢明

■パッシングで道を譲るという親切心が事故を誘発!?
 パッシングもクラクション同様、相手を不快にさせるリスクが高い行為。道を譲るつもりだったり、譲ってもらったお礼にパッシングをしたつもりが挑発行為と勘違いされ、あおり運転の被害者になってしまったという事例は決して少なくないのだ。

 また、パッシングの場合は他にも危険なシチュエーションを生み出す恐れがある。例えば、交差点の右折待ちをしている対向車が「お先にどうぞ」パッシングをされることで、その対向車以外の状況の確認がおろそかになり、事故を誘発することも考えられる。道を譲ってくれている対向車を追い越してバイクや自転車が突っ込んできたりする恐れもあるからだ。それで事故が発生したら、あなたは「余計なお世話」をしてしまったということになってしまう……。

■「お先にどうぞ」は全国共通ではない
 道を譲る際に行うパッシングが「お先にどうぞ」ではなく、「お先に行きますよ」と、自分が止まらず走り続けるつもりであることを知らせるという真逆の意味を持つ地域もある。

 もしあなたがそういった地域を走っていてパッシングをされ、道を譲られたと思い込んで右折をした場合は追突事故が発生する危険もある。逆に、道を譲ったつもりなのに「こっちが優先だろ!!」と激怒されることもあり得るのだ。

 ただしクラクションとは異なり、パッシングを規制する法律は存在しないものの、執拗にパッシングをした場合はあおり運転=妨害運転とみなされる可能性がある。警察のホームページなどでもパッシングがドライバー同士のコミュニケーションツールとして浸透していることは認識したうえで、パッシングの使用にはリスクも伴うため、使い方には注意が必要としている。

 対向車が道を譲ってくれたので感謝の意を示すためのパッシング自体は法的に問題がないとはいえ、パッシングという行為に良いイメージを持っていない人が多いことも事実。そのため、周囲が明るい時は軽く手をあげて謝意を示したり、ジェスチャーで道を譲ることを示すほうがトラブルに巻き込まれるリスクが減らせる。

無灯火走行の危険も…停車中のライトオフ

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信号待ちで停車している時に、対向車がヘッドライトをつけたままだとまぶしいと感じることはあるが、走行に支障をきたすということはないので、イライラする必要もないのだが……

■停車中でも存在を周知することは必須
 これに関しては、なかなか難しいところ。「対向車がまぶしくないように」という心遣いなので、相手をイライラさせたりすることはありえない。しかし、停車中のライトオフは教習所でも警察でも推奨していない。

 安全面からみると停車中のライトオフは好ましいことではない。夜間は、「今、ここにクルマがいますよ」と、事故を防ぐために周囲のクルマや二輪車、自転車、歩行者にクルマの存在をしっかり認識できるようにしておくことが必要だからだ。

 また、ヘッドライトのつけ忘れの原因となることも大きな問題。特に、交通量が多い幹線道路や周囲が明るい道では無灯火であることに気づかず走行してしまう恐れがある。ヘッドライトは視界をクリアにするためだけではなく、前述のとおり歩行者や自転車、他車に存在を知らせるという役割も持つ。無灯火に気づかず走行していると、クルマが近づいていることに歩行者や自転車が気づくことができず、急な飛び出しなどをしてくる可能性が高くなる。

 もちろん、無灯火走行は違法。取り締まられた場合、違反点数1点、反則金6000円(普通車)が科せられてしまう。

 こういったことを考慮すると、停車中のライトオフはしてはいけない心遣いということになる。

 ただし、2020年からはクルマのヘッドライトを自動点灯する「オートライト」が義務化され、ヘッドライトが消せないクルマが増えている。そのため、今後は停車中のライトオフマナーは消滅していくことになるだろう。

次ページは : お礼どころか追突リスクが高まるサンキューハザード

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