■スタッドレスタイヤはドライ路で危険?
昨シーズンはブリヂストン、横浜ゴムといった日本を代表するタイヤメーカーが同時期に中核となるスタッドレスタイヤの新商品をフルモデルチェンジして投入した。
上記の通り、ブリヂストンが『ブリザックVRX2』、横浜ゴムが『アイスガード6』を発表。この2メーカーが揃ってスタッドレスタイヤのフルモデルチェンジをするのは久しぶり。これまでは開発サイクルの関係からか、1〜2年のズレがあった。

ブリヂストンの「ブリザックVRX2」。親水性コーティングによりさらに吸水性が進化した「アクティブ発泡ゴム」が氷上面の水膜を徹底的に除去し、高いアイスグリップを発揮することで氷上ブレーキ10%短縮。新開発された非対称パターンによりトレッド剛性を高め雪上性能、ドライ路性能も高める。ライフ性能が22%向上している。実勢価格は1万3500円(195/65R15)

横浜ゴムの「アイスガード6」。トレッドゴムに配合された「新マイクロ吸水バルーン」が氷上の水膜を吸収。さらに「エボ吸水ホワイトゲル」が吸水力を引き上げる。また、低温下でのトレッドゴムの柔軟性を維持するシリカの均一分散化に成功し、より高い密着性で氷上グリップを高める。オレンジオイル配合で経年劣化も抑制。実勢価格は1万3000円(195/65R15)
両メーカーともに重視しているのが「アイス性能、雪上性能の向上は当然。これからはそれにプラスしてドライ路での操安性能をいかに引き上げていくかがスタッドレスタイヤ開発のポイント」だとしている。
実際VRX2もアイスガード6も、新商品発表の場で「ドライ路での操安性を引き上げた」ことをアピールしていたし、実際に試乗しても、ドライ路でのしっかり感が高まっていて安心感が高い。
スタッドレスタイヤは氷雪路でのグリップを確保するためにサイプを刻んだブロックがトレッド面にあるのだが、この細かいサイプがどうしてもブロック剛性を弱くしてしまうという弱点があった。
新商品では、例えばトレッドゴムの吸水性能を引き上げるなどにより、従来品よりも氷雪路性能を高めながら、サイプを減らすなどでブロック剛性を高めているのが特徴的。
とはいえ、絶対的なグリップ性能はサマータイヤには及ばないので、適材適所を心がけるべき。また、ウエット性能も以前に比べれば大幅によくはなっているが、サマータイヤに比べるとどうしても弱いことは知っておいてほしい。
■スタッドレスタイヤ=燃費が悪い?
ソフトなトレッドゴムを採用するスタッドレスタイヤは、イメージ的にも転がり抵抗が悪そう。つまり、サマータイヤと比べて燃費が悪化するのでは? と感じるものだ。実際はどうなのか。
ここ1〜2年に登場した最新のスタッドレスタイヤは、こぞって「燃費のよさ」をアピールしている。
スタッドレスタイヤにはサマータイヤで採用されている『タイヤグレーディング』が適用されていないため、客観的な指標はないのだが、横浜ゴムのアイスガード6は、社内テストにおける転がり抵抗は、同社のスタンダードエコタイヤ『DNA ECOS』とほぼ同等だという。
つまりタイヤグレーディング上のレベル「A」を達成していると言うことができる。
実際、以前ベストカーで行われた実走行テストで、1世代前のアイスガード5とブルーアースAで高速道路を走りその燃費を比較してみたところ、17.4km/L対17.6km/Lでスタッドレスタイヤが買っている勝利を納めている。
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