■Q. 結局のところ、プラットフォームはカムリと共通なの!?
ベースとなっているのは確かにカムリやハリアーなどに使われる、フロント横置きエンジンのGA-Kプラットフォームだが、新型クラウンではフロア前半はSUV系プラットフォーム、センターはセダン系プラットフォームを融合させ、さらにリアセクションは完全新設計のwマルチリンクサスペンションを採用するなど、事実上の新設計プラットフォームと言っていい内容。
ホイールベースは2850mmで、カムリの2825mm、レクサスESの2870mmとも異なっている。
特に新開発リアマルチリンクサスペンションがポイントで、2.4Lターボハイブリッドでは80ps/17.2kgmの高出力eアクスル(モーター)を搭載することもあり、強靭なサブフレーム構造となっていることも特筆点。
これにより、ガッチリとしたリア足回りができ上がっている。
■Q. 後席居住性はいいの? パッケージングを教えて!
新型クラウンのコンセプトのベースとなったのが、「クロスオーバー」だ。
SUV人気が高い大きな要因として、着座位置が高いことで乗降性に優れ、視点が高くなるため前方視界に優れることも大きい。
新型クラウンの最低地上高は145mmと、一般的なセダンと比べて20mm以上高い。これによって前席ヒップポイントは630mm、後席は610mmとなり、上半身を大きくかがめることなく乗降できる。
全高も1540mmと高いため、ファストバックスタイルの後席でもヘッドスペースは握りこぶし半個分のスペースがあり、狭さを感じることはない。
また後席ニースペースはこぶし2個分以上の余裕があり、足元スペースにも不満なし。
■Q. 新開発「2.4Lターボハイブリッド」の詳細は!?
トヨタハイブリッドの歴史における「大事件」と言ってもいいのが、今回の新型クラウンRS系に搭載される直列4気筒2.4Lターボエンジンを主軸としたハイブリッドシステムだ。
メカニズムとしてはシンプル。
エンジン→クラッチ→フロントモーター→クラッチ→6速ATで前輪を駆動し、後輪は独立したモーター(eアクスル)で駆動する電動式4WD。
前輪のハイブリッドシステムの機械的な構造は、遊星歯車を使ってエンジンとモーターの動力を複雑に配分するTHSと比べてはるかにシンプルで、多くのメーカーがすでに実用化しているシステムだ。
エンジン動力とモーター動力をダイレクトに結合できるのだが、クラッチの断続などの制御が難しく、ドライバビリティ面での課題を感じさせるモデルが多かった。
それをあえてこのタイミングでクラウンに搭載してきたということは、そうした制御面での課題を克服した、ということだろう。
クラッチ断続などで生じるレスポンス遅れやギクシャク感などは、後輪eアクスルの強力な駆動力がカバーすることで感じさせないものになるはずだ。
■Q. 全車AWD、そしてリアアクスルステア標準装着の理由は?
新型クラウンのリアアクスルはすべてのグレードで「DRS」と呼ばれるステア機能が採用されている。
低速時は小回り性を高める逆位相(最大4度)制御をすることで、ホイールベース2850mm、全長4930mmの車体にもかかわらず5.4mという最小回転半径を実現。
中速域から高速走行時は、キビキビした軽快なハンドリングと高いスタビリティを両立させるため、逆位相〜同位相を速度や走行条件によって緻密に制御する。
具体的には中速域でのコーナリングなどでは切り始めに逆位相で回頭性を高め、コーナリング中には同位相でリアのスタビリティを高め安定した姿勢を維持する、といった具合である。
高速走行時のレーンチェンジでは同位相制御でリアの追従性を高め、高いスタビリティを発揮。RS系ではモード切替が可能で、スポーティな走りをアシストする。
このリア操舵と合わせて新型クラウンは全モデル、後輪をモーターで駆動するAWDというのもポイント。
RS系のeアクスルでは前後駆動力を100:0から20:80をシームレスに制御し、DRSとの統合制御で高い操縦性を実現する。
コメント
コメントの使い方