正統派スポーツの価格は急上昇!「ホンダ S2000」
現役時代は期待されたほどの売り上げを残せなかったにもかかわらず、廃番となってから一気に人気が上昇するクルマは意外に多い。ホンダが1999~2009年に販売していたオープンスポーツカーのS2000もそんな一台だ。
ホンダが創立50周年を記念して製作したクルマが、同社では29年ぶりとなるFRスポーツのS2000。スポーツカーでは伝統的と言えるオープン2シーターで、ロングノーズでスリムなフォルムもファンから高い評価を得ていた。
もちろん、走りについても抜かりはなく、ルーフのないオープンスタイルながら十分な剛性を確保したボディに、250psを発生して低回転からトップエンドまで小気味良く回る2.0リッター直4VTECを搭載。4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションがそのパワーをしっかりと受け止め、これぞスポーツカーといった走行性能を発揮した。
このように質実剛健で、メーカーでも力を入れていたS2000だったが、国内での販売は思うように伸びず、生産10年間での出荷台数は2万台にとどまっている。このS2000も映画ワイルド・スピードX2で活躍したクルマであり、世界での人気も高かった。しかし、それが現役時代の売り上げにはつながっていない。
だが、ここにきてS2000の中古車価格が上昇傾向にある。2020年には約250万円だった中古車の平均価格が翌2021年には約330万円に上がり、2022年9月現在では400万円近くになっている。国内での最高価格は1100万円で、新車時の約2倍に跳ね上がっているのだ。
これほど中古車価格が高騰しているのは、S2000が再評価されている証拠とも言えるが、少々上がりすぎにも思えてくる。果たしてこの価格上昇が落ち着く日は来るのだろうか?
高性能モデルの人気は世界規模「スバル 初代インプレッサ STiバージョン」
最後に紹介するのは、スバル インプレッサのスペシャルバージョンとなるSTi。インプレッサ自体は現在でも続いているモデルだが、今回ネオクラシックカーとして注目したいのが1992~2000年に販売された初代のSTi仕様だ。
インプレッサはスバルの世界戦略を担うCセグメント(5ナンバーフルサイズに該当)モデルとして開発され、スバルお得意の水平対向4気筒エンジンを搭載。FFモデルも用意されたが、本命はこれもまたスバルが得意とする4WDだった。
このインプレッサをベースに、WRC参戦を想定して開発された高性能モデルがWRX STiであり、STiとはスバルのモータースポーツ部門「スバルテクニカインターナショナル」を意味している。
初代インプレッサのSTiにはいくつかのバリエーションが存在するが、特に人気が高いのが、1998年に販売された22B STiバージョン。このモデルはスバルのWRC3連覇を記念して作られたもので、生産台数も400台という貴重な仕様。
新車価格でも500万円と高額だった22B STiバージョンだが、現在でもその人気は高く、程度極上の個体がなんと4000万円で取り引きされた記録もある。これは極端な例だが、その他の仕様の初代インプレッサSTiバージョンの中古車価格相場も約130万~740万円と高値なのは間違いない。
ワイルド・スピードで火がついたアメリカでの日本製ネオクラシックカーブームだが、インプレッサについてはラリーの盛んなヨーロッパでの人気が高いのも特徴と言える。
製造から50年を超える骨董品レベルのクラシックカーに比べれば状態が良く、電子制御技術も採用されているため現在でもハイレベルな走りを味わえるネオクラシックカー。その人気が加速することはあっても、落ちることは当分なさそう。現在いずれかのネオクラシックカー購入を考えているなら、ここらで思いきらないと、将来になって後悔するかもしれない。
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コメント
コメントの使い方維持費高いよなぁ。