■片手運転がダメな理由
片手運転は、ふらつきの原因になったり、緊急回避が遅れたりするなどの理由でダメとされています。ただし、片手運転を絶対にしてはいけないと断言することはできません。
まず、片手運転がダメな理由について解説します。
ハンドルを保持する位置や路面状況・走行している環境などによりますが、片手運転で走行するとふらつくことがあります。また、片手運転をしていると緊急回避が遅れたり、回避できなかったりする可能性が高いです。そのため、片手運転はダメとされています。
次に、「片手運転は絶対にしてはいけないと断言できない」理由についてです。
MT車を運転するときは、片手運転になる場面があります。MT車のギアチェンジをするときは、片方の手でハンドルを保持し、もう一方の手でシフトレバーの操作をします。そのため、MT車で片手運転になるのは仕方ないことなのです。
ただし、シフトレバーに手を置きっぱなしにしていると片手運転という扱いになるため、ギアチェンジが終わったら、シフトレバーからハンドルへ手を戻しましょう。
実は、片手運転をしなければならない場面があるのは、MT車に限った話ではありません。AT車でも片手運転をしなければならない場面があります。それは、灯火類の故障などにより手信号で合図をする場合です。手信号による合図をするときは、片方の手で合図をして、もう一方の手でハンドル操作をします。
このように、MT車のギアチェンジや手信号による合図などがあるため、片手運転は絶対にダメと断言できないのです。
■ハンドル操作ひとつで交通違反になる可能性もある
ハンドル操作は、運転の試験のチェック項目のひとつです。また、免許取得後は、ハンドル操作が適切でない場合に交通違反として検挙されることがあります。そのため、ハンドルの保持や操作のクセは直しておいたほうが良いでしょう。
警察庁が公表している「運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について」によると、運転の試験においてハンドルやブレーキなどの装置を確実に操作しないなどの理由により、試験官が補助や是正措置を指示した場合、「安全運転義務違反」となり、危険行為として試験中止(一発不合格)になります。
免許取得後は、道路交通法第70条「安全運転の義務」違反により検挙されることがあります。違反すると、点数2点、反則金9,000円(普通車)となるため、ハンドルの保持・操作不良などがないようにしなければなりません。
条文には、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められています。
具体的な違反行為が明記されておらず、非常に曖昧な表現です。簡単に言い換えると、ハンドル操作やブレーキ操作などドライバーの不注意やミスにより、周囲へ危険を及ぼすこと自体が違反ということになります。
■自己流のハンドル操作は直すのが難しい
ハンドル操作は、いつの間にか自己流になっていることも少なくありません。
内掛けハンドルや片手運転、ハンドルを保持している位置を変えずに小刻みにハンドル操作をする送りハンドル、カーブや交差点などを曲がった後に手を離しハンドルの反力を利用してスルスル戻すなど、操作のクセを直すためには、自ら意識して操作を変えていくしかありません。
「意識することが直すこと」ということに対してさまざまな意見があると思いますが、車やバイク、自転車など乗り物の運転は、危険の意識や見つける意識などの「意識」が安全運転への第一歩となります。なぜ危険なのか、どのようなリスクがあるのか理解すれば、意識が改善し、運転操作も変わるでしょう。
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