サスティナブル(持続可能)という言葉を聞かない日はないが、どうせ地球を守るならカッコよくやりたい。そんな思いを形にしたイベントが東京・原宿で開かれる。魅力的なコンパクトカーを手がけるMINIが、ファッション界のレジェンド、ポール・スミスと仕かけた「MINI×Paul Smith in 東京」がそれ。10月7日のオープニング目前に、詳細をお伝えしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、MINI
【画像ギャラリー】センスのよさがハンパない! ポール・スミスのワンオフMINIはこちら!(25枚)画像ギャラリー長いコラボの歴史を持つMINIとポール・スミス
未来の世代のために持続可能な社会を作ろうという動きが活発だが、もちろん自動車業界も例外ではない。たとえばBMWは2030年までにCO2排出量を2億トン削減することを目標としており、開発や生産、流通といったあらゆる場面での脱温暖化に努めている。
そのBMWが擁するプレミアムブランド「MINI」も、サスティナビリティの追求に余念がない。とはいえ知的でファッショナブルなブランドだけに、そのやり方が実にカッコいい。今回企画されたイベントが、まさにその好例といえるだろう。
東京・原宿の「BA-TSU ART GALLERY」に展示されるのは、英国ファッション界の大御所ポール・スミス氏とMINIが「自動車製造における持続可能性」を目標に作り上げた2台のワンオフモデル。
ちなみにポール・スミス氏とMINIの付き合いは深く、ポール・スミス製のアパレルや小物にはMINIをテーマにしたものが数多く存在する。一方のMINIもクラシックミニの時代に「MINI Paul Smith Edition」という特別限定車を発売しており(総数1800台のうち1500台を日本で販売!)、両者の関係は数十年に及ぶのだ。
多くの人をサスティナビリティに共感させるセンスのよさ
実は2台のワンオフモデルのうちの1台が、まさにその「MINI Paul Smith Edition」をベースに作られたもの。「MINI Recharged」と名付けられたそのクルマは、 パワーユニットを電気モーターに載せ替えたいわゆるコンバートEVなのだが、ポール・スミス氏の手が入ることでハンパない洗練ぶりに仕上がっている。
インテリア周りでは、プラスチックやレザーはすべて廃止。代わりにリサイクル可能な繊維やゴムをマテリアルとして使い、大柄な人(ポール・スミス氏自身がそう)の乗り降りを容易にするためステアリングホイールを取り外し可能としている。ボディカラーを決めるとき、ポール・スミス氏は自ら着ていたブルーの洗いざらしのシャツを指さし、「この色にしてほしい」と言ったそうだが、クルマの脇にそのシャツが展示されていた(しかもサンプル取得のため裾が切り取られていた!)のが感動的だった。
もう1台は現行のミニをベースとした「MINI STRIP」というワンオフモデル。こちらは「Recharged」よりもサスティナブルであることをより一層推し進めており、環境汚染を抑えようとボディの塗装さえも施されていない。工場でできた研磨跡もあえてそのまま残し、前後バンパーの一部やブラックバンド(オーバーフェンダー部分)を無塗装の再生プラスチックとすることで、ワークブーツをウェザリング(風化)させたような味わいを漂わせている。
インテリアではダッシュボード回りの樹脂カバーが文字通り「ストリップダウン」され、簡素な再生プラスチックへと置き換えられている。ナビ表示などを行うセンターディスプレイも取り外され、代わりにスマホをはめ込むという潔さだ。ダッシュボード上面やドアトリム、リアシェルフなどには再生コルクが用いられているが、将来的には発泡プラスチックの代替品として市販車への導入も検討していくという。乗る人を緊張させず、リラックスした空気で包み込むような印象だった。
持続可能性について取り組むだけでなく、多くの人を共感させ、ムーブメントに巻き込むようなセンスのよさ。2台からはそんな印象を受けた。ぜひ皆さんも、その洗練されたサスティナビリティを実際に目で見て確認してほしい。「MINI×Paul Smith in 東京」の会期は10月7日(金)から12日(水)まで。事前申し込みというスタイルで来場者を募集している。
【「MINI×Paul Smith in 東京」開催概要】
日時:2022年10月7日(金)~10月12日(水)11:00~20:00
会場:BA-TSU ART GALLERY (東京都渋谷区神宮前5-11-5)
入場料:無料(専用サイトから事前申込が可能)
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